今週で大学の講義もひとまず終了です。学生さんにとっては、嬉しい(?)夏休みに入ります。
先週の水曜日の5限目に園芸産業創発学プログラム学生向けの講義を行ないました。園芸産業創発学プログラムとは、園芸別科の後継コースとして創設された4年生のコースです。
【園芸産業創発学プログラムとは】
植物工場や大規模施設園芸をはじめとする次世代園芸産業の発展・展開を担うプロフェッショナル人材の育成を目指します。学内の豊富な施設を用いた教育に留まらず、国内外の企業での中長期インターンシップ・実践演習を行うことにより、グローバルな視点での日本の農園芸産業を考える能力、かつ即戦力となる高い課題解決能力を身に付けます。農園芸産業及び関連技術に強い関心があり、将来農園芸ビジネスに関わりたい、あるいは自ら新たなビジネスを創りたいという意欲を持ち、日本の農園芸産業の発展に強い志を持った人材を求めます。
上記のような人材育成を目的として、教育と課題研究を行なっています。当研究室には、3名が在籍しており、そのうちの4年生2名は、長期インターンシップ(6か月)により学外で修業中です。
このプログラムは、一般入試とは別に11月に実施される特別選抜と大学入試共通テストの一部の科目で合否が決定されます。
本プログラムに興味のある高校生の方、お近くにそのような意欲のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ受験をお勧め下さい。もう少し詳しい内容をお知りになりたい方は、下記をご参照下さい。
https://readyfor.jp/projects/chiba-u-engei/announcements/89769
上述のように、このプログラムはより実践的な内容が求められていますので、4回目の花卉の講義は、花卉・苗生産施設で実施しました。
「種子播きのいろいろ」と言ってしまうと網羅的ですが、実際に行なったのは、セルトレイへの播種用土の手詰めの基本、自動化播種ラインの流れの理解、播種機のいろいろ、ハボタンの播種、覆土・・・。
まずは、セルトレイへの播種用土の手詰め方法の理解です。いくら種子播きが機械化された時代と言っても、手作業での基本を理解しないとどのように機械化されたのかが理解できません。
そこで、播種用土の種類と選択、用土の組成、セルトレイへの播種用土の詰め方などの解説をしました。知らないといけないことはたくさんあります。残念ながらこのような内容は、教科書には書いてありません。何事も練習ですので、何度も実際に手で播種用土を充填して、感覚を覚えて貰いました。
その後、播種ラインの流れを見て貰いながら、ドラムシーダーやノズルシーダーの動きや適した種子の種類などを解説しました。手で播種用土を詰めたことで、用土充てん装置の機能や動きが理解できます。
今回は、敢えてこれらの播種装置を使わず、簡易的な播種機を使ってハボタンの種子を播きました。
仕組みは単純です。手前のホースは掃除機につながっています。掃除機のスイッチを入れると「ぶ~ん」と吸引し始め、小さな穴が空いているパネルの上にハボタンの種子が張り付いていきます。
種子を各穴に吸引させたまま、パネルを裏返しにしてセルトレイの上に乗せて、掃除機のスイッチを切り、パネルの小窓を開くと種子がセルトレイに落ちる仕組みです。
待ちきれない学生さんは、200穴に手播き(1粒播き)です。機械化の有難さも理解できます。
覆土は覆土装置で行ない、灌水は腰水と上面からの霧吹きで行ないました。
ここで初めて土の詰め方の良し悪しが目に見えてきます!
上の2枚の播種の完了したセルトレイは、どちらが良いと思われますか?
?
?
?
?
?
どちらも播種して覆土するまでは、全く同じに見えますが、灌水をすると違いが現れました。
正解は下の画像のセルです。
適度な強さでの土詰めと、灌水したことで播種用土が若干沈み、セルとセルの仕切りが見えるようになりました。セルに詰められた播種用土中に適度な隙間があることを示しています。ポット苗に移植する際も、適度に土を詰めたポットは、灌水をすると用土が若干沈みますね。
一方、上のセルは、詰める量が多く、硬く詰め過ぎてしまったため、灌水をしても土が沈みませんでした。このようなセルで苗を育てると、発根や根張りが悪く、良い苗は得られません。
このような園芸生産に必要な基本的な理論と実践を積み上げていくことで、次代の園芸産業人として育って欲しいと願っています。
(渡辺 均)
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
花卉・苗生産ブログを応援してくださる方は、
こちらを1日1回クリックしていただけると、、、
人気ブログランキングへ
ブログランキングがあがります。
これからも応援よろしくおねがいします!
トレイ販売を始めました。
詳しくはホームページへ!
花卉・苗生産部トレイ販売ページ
花卉・苗生産ブログに関するお問い合せは、
こちらからどうぞ→fc-naeseisan@office.chiba-u.jp
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
0 件のコメント:
コメントを投稿