15年ほど前のお話です。園芸別科があった頃、学生の実験実習の一環として、半分冗談で半分本気でソフトボール大の果実のフウセンカズラ(ムクロジ科
Cardiospermum halicacabum L.)を学生さんと一緒に作ろうとしたことがありました。
その方法は、果実の大きな株から種子を採り、その種子にコルヒチン処理をして4倍体を作出し、その中からさらに大きな果実が得られる株を選抜し、その株どうしで交配を繰り返しました。そうしたところ、ピンポン玉よりも大きな果実(直径約5㎝)を得ることができました(画像がない!)。
ところが、その株は生長が遅く、栄養状態の関係からかその大きな風船は1株に数個しか着きませんでした。花は咲くのに落花して、薄緑色のつるだけが伸び、風船は少ししか着かないフウセンカズラができました。また、結実しないと風船は膨らまないので、4倍体と2倍体の株を交配すると膨らまない萎んだ風船しか着きませんでした。
これはこれで、学生実験や実習を行う上では、面白い教材になりましたが、園芸別科が廃止されたこともあり、それ以降は実験を行なっておらず、未だソフトボール大のフウセンカズラは実現していません。
じつは、この話には続きがありまして、C. halicacabum だけではなく、宿根草でより生長が早く、果実の大きなC. grandiflorum Sw. で試みたことがありました。
結実したC.
grandiflorum
本種の果実の直径は3~4㎝ほどありますが、やや縦長(ラグビーボールのような形状)になります。形状はともかく、果実が大きくなればと思ったのですが、なんと開花が10月~12月頃と超晩生で、今ごろ(12月)になってやっとハウス内で結実してきます・・・・・。
開花を揃えてC. halicacabum と
C. grandiflorum の雑種を作れば、その後代で大きな果実が得られるのかも知れませんが・・・・・。今年もハウス内で結実したC. grandiflorumを見て、昔のことを思い出しました。
(渡辺 均)
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