2024年12月9日月曜日

もう寝る? まだ寝ない? ~ ヨモギの休眠 ~

12月に入り、柏の葉キャンパスの圃場では、霜が降りるようになりました。サフランの採花作業も無事、先週末で終わり、球根も畑に植えるために委託先の生産者様の方へ旅立って行きました。

 

さて、今日の話題はヨモギです。無加温の研究温室内に全国から収集した180系統ほどのヨモギのコレクションがありますが、最近の冷え込みで、葉色に変化が見えてきました。

 




 

上の画像は、紅葉し始めた2株と緑色のままの2株です。紅葉し始めた株の故郷は、北日本もしくは、本州の標高の高い場所に自生していた系統です。逆に緑色のままの株は、九州や南西諸島に自生していた系統です。同じヨモギの仲間でも低温に関する感受性が異なっていることがお分かり頂けるかと思います。

 

ヨモギは自生地の気象条件に適応し、北日本に自生している植物は、低温を感受したら、直ちに休眠に入ろうとし、一方、暖かい地域に自生しているヨモギは、寒さに対する感受性が低いようです。ちなみに、南西諸島に自生しているヨモギは、柏の葉キャンパスの無加温の温室内でも冬でも緑のままで、地上部が枯死せず休眠しません。では、低温に対する感受性の高い系統と低い系統を交配したら、その後代はどうなるのでしょう?

 

低温でも休眠せずに生長を続ける性質は、農作物としてヨモギの茎葉を安定的に生産するためには、将来的には必要になってくるかも知れませんね。

 

北海道出身の寒がりな私と同様、北海道生まれのヨモギも低温に関する感受性は高く、早く休眠に入ろうとしているようで親近感が湧いてきます。寒い冬は、暖かい布団からなかなか出られませんからね~。皆さんのお住いの近くに自生しているヨモギはまだ起きていますか?

 

(渡辺 均)

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
花卉・苗生産ブログを応援してくださる方は、
こちらを1日1回クリックしていただけると、、、

人気ブログランキングへ

ブログランキングがあがります。
これからも応援よろしくおねがいします!

トレイ販売を始めました。
詳しくはホームページへ!
花卉・苗生産部トレイ販売ページ

花卉・苗生産ブログに関するお問い合せは、
こちらからどうぞ→fc-naeseisan@office.chiba-u.jp
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

0 件のコメント:

コメントを投稿