2014年3月26日水曜日

オタネニンジンの出葉


年度末ですね。
出会いと別れ、研究課題の採択と不採択、書類の締切、春の学会シーズンなど、
いろんなことが一斉にあるいは突然にやって来ます。
おろおろしながらも何とか乗り切っていますが、多忙は何の自慢にもなりません。
仕事の質を上げていけるよう、怠慢な自分に言い聞かせる日々です。


さて、そんな人間の営みとは関係なく、薬用植物は順調に生育を続けています。
本日はオタネニンジンの出葉の話です。





催芽処理を終えた種子が気温の上昇とともに発芽し、出葉してきました。
こちらは以前に撮影した発芽当年の苗(1年生)で、
葉は一枚です(ちなみに子葉は種子の中に入ったままです)。


1年生の苗は、写真よりも根が長く伸びますがあまり太りません。
しかし問題は、オタネニンジンが単茎性で1年に1回しか出葉しないということです。
さらに一年の半分近く休眠をします。


次年に出葉する芽はいつ形成されるのか?
なぜ1年に1回しか出葉しないのか?
なぜ休眠するのか?どうしたら休眠から覚めるのか?


その答えやヒントとなるような研究報告が断片的にはあります。
しかし、効率的な生産技術の確立には、
解明しなければならないことがまだまだたくさんあります。


そんな中、今年、種子から出葉した1年生の苗において多芽体を確認しました。
2年生以上の株ではまれに見ますが、1年生の、しかも種子からでは初めて見ました。
出現頻度は低いですが、それでも結構な数です。


2芽(葉が2枚、土壌から引き抜いた際、根が切れてしまいました)


3芽(葉が3枚)



根は1本ですので、双子や三つ子のような状態ではありません。
いろいろ試行した催芽処理法が影響したのでしょうか?
多芽と休眠は一見別物ですが、何かヒントが隠されているような気がします。


花苗や鉢花の効率的な大量生産・出荷を実践し、
教育や研究にフィードバックしてきた花卉・苗生産部。
近い将来、薬用植物や機能性植物の革新的な生産も
可能になっているかもしれません。


(新藤)



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