2019年11月13日水曜日

飯のタネ


 11月も半ばに入り、寒さも強まってくる…ようでありながら、昼間は20℃を超すようなポカポカ陽気もまだ続きますね。
 朝晩の冷え込みに備えた厚着のままでは、逆に体調を崩してしまうかもしれませんのでご注意を。


 深まる秋には多くの果実の実りを迎え、様々な味覚を楽しむことのできますね。
 また、瑞々しい果実はなくとも、多くの植物が種子を実らせ、冬を越す準備をする頃でもあります。



 苗生産の敷地の一部を利用した露地圃場においても、採種用の植物が首を垂れ、種子を熟しつつある状態にあります。
 しかしながら、その熟して美味しく太った種子を狙い、朝方と夕方に空から舞い降りてくる雀の姿が。

 啄むのにちょうどいいサイズだった稲の収穫も終わり、冬に向けて栄養を蓄えるためか、様々な物に手(口?)を出している模様ですが、採種用の種子が全て食べられてしまっては困ります。

そこで、植物体の伸長もほとんど止まったことから、トンネルを作って雀がいたずらをしないように対策を行いました。




 目の粗い遮光ネットで試してみたところ、茎が突き出たり、雀では隙間から顔を突っ込めそうだったため、目の細かいネットを利用。
 冬の時期のべたがけのような感じに。

 雀たちも生きる糧として食料を探していますが、こちらも飯のタネ”として、簡単に譲るわけにはいきません。

(安藤匡哉)

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2019年11月12日火曜日

「コケ」ないように

 朝晩は、寒さが増し、温室内で管理しているオタネニンジンもご覧の通り、休眠を迎えています。
地上部が枯れ始めたオタネニンジンの様子

 思い返せば、1年前にはベンチも寒冷紗用の骨組もなかった温室が、大きく様変わりしたものです。また、骨組を利用して新たに取り付けたミストチューブもしっかり働いてくれました。
 がしかし…ミストによって、温室の床には、コケや藻がびっしりと張ってしまい、夏場はツルツルと滑ってしまっていました。

 そこで、今回は、立鎌を使用して、コケや藻をガリガリと削り落としていきます。
立鎌は、本来は除草や土寄せ等に用いる農具ですが、温室のコケや藻、土を剥がし落すのにも、非常に便利です。ノット・リリース・ザ・コケで反則状態の除草シートから、立鎌を用いて、コケを「ジャッカル」していきます。笑

ベンチ下までは出来ませんでしたが、ご覧の通り通路のコケは概ね剥がし落せました。今回は使用しませんでしたが、実は藻類に効果がある除草剤も販売されています。来年はその除草剤を上手く活用しながら、「コケ」ないような管理をしていきます。



(黒沼)


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2019年11月11日月曜日

第14回センター祭開催!~ご来場御礼~

113日(日)の文化の日に環境健康フィールド科学センター内で「第14回 センター祭」が開催されました。例年同様に花卉・苗生産部も花苗や鉢花、観葉植物などを販売しました。当日の天気予報は前日まで雨マークでしたが、雨が降ることもなく多くの方にご来場頂きました!

前日までの技術職員やパートさんの入念な出荷調整、商品ラベルや値札の用意などのおかげで当日の準備は万全です。

10時からの販売開始に向けて花卉・苗生産部スタッフは8時集合! 最初に今日一日の段取りの打合せを行なった後、バックヤードから会場まで商品を台車で運搬するところから作業を開始しました。


ミーテイング


商品を並べて・・・


値札を付けて・・・

 テントを建てて、商品名と値段の書かれたラベルを付けてお店の準備は完了。恒例の集合写真を撮影して静かに「おお~!」。



販売開始の30分前には長蛇の列ができました。10時の開店と同時にお客様のお目当ての商品がどんどん無くなっていきます。また、午後からはお子さん向けにチューリップの植え付け体験も行ないました。好きな花色のチューリップの球根を選んでもらい、小さな手で球根を植える様子は可愛らしいものです。



開店20分前!

販売開始!
  

チューリップの球根の植え付け体験

パンジーやビオラの苗物の他に今年は、大鉢の観葉植物や小鉢の鉢花などが人気のようでした。今年も多くの方にご来場、ご購入いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

次回の花卉・苗生産部の販売会は、シクラメンの即売会「シクラメン祭」が予定されています。こちらも恒例となりましたが、127日(土)930 1330分まで、当キャンパス内のシーズホールで開催予定です。


(渡辺 均)




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2019年11月8日金曜日

花の香りに酔い痴れて 第23回 アベリア

 こんにちは、学部4年の下重(しもじゅう)です。

 この花卉・苗生産ブログにも、先週の金曜日から、学部3年生が加わりました。
 学部3年生は、毎週金曜日の午後に実験を行った後、花葉会主催の「花産業必修1000属検定」C級の小テストを受けています。

 今回は、「花産業必修1000属検定」C級のリストの中で、恐らく1番最初に覚えることとなる植物である、アベリアをご紹介いたします(C級リストの1番最初に記載されている属名がアベリアなんですよ)


 柏の葉キャンパス駅から千葉大学環境健康フィールド科学センターに向かう途中に、大型ショッピングセンターである「ららぽーと柏の葉」があります。
 「ららぽーと柏の葉」の周囲には、沢山のアベリアが植栽されています。



 アベリアAbelia×grandifloraは、スイカズラ科ツクバネウツギ属に分類される、常緑~半常緑性の低木で、「ハナゾノツクバネウツギ」、「アベリア ハナツクバネウツギ」とも呼ばれます。
 属和名の「ツクバネウツギ」は、漢字で「衝羽根空木」と書き表されるのですが、
① 花が終わった後も残る桃色のがくが、羽根つきの羽根に似ていること
② 花や葉が、ウツギDeutzia crenataに似ていること
2点に由来しています。

 19世紀中頃に、イタリアにおいて、中国原産のシナツクバネウツギ A. chinensis とアベリア ユニフローラ A. uniflora が交配されたことで作出されました。
 驚くべきことに、大正時代末期には日本へ渡来し、庭木や公園樹として利用されていたようです。
 現在は、様々な葉の色を持った園芸品種が生み出され、カラーリーフとして楽しまれています。


 花をよく観察してみると、透き通るような淡桃色の花冠(花びら)の先端が5つに分かれていることがわかります。
 属和名の由来の通り、花が終わった後も、羽根つきの羽根のようながくが、沢山残っていますね。


 アベリアの花の香りを実際に嗅いでみたところ、昆虫を沢山誘引しそうな甘い香りの中に、少しクセを感じました(私個人の感想です)
 「ららぽーと柏の葉」の周囲には、沢山のアベリアが植栽されているため、香りも非常に強く感じられました。


 「花産業必修1000属検定」C級の合格を目指す学部3年生も、ただ属名を覚えるのではなく、身近に存在するアベリアのような植物を観察することで、様々な植物の魅力を伝えられるようになってほしい、と感じています。


(学部4年:下重)


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2019年11月7日木曜日

サフランの栽培

朝夕がとても寒いですね。体調にお気を付けください。

先日、11月3日のセンター祭にはたくさんのお客様がいらっしゃってくださいました。
厚く御礼申し上げます。

さて先日、サフランをトレーに並べる作業を行おました。
空中栽培と言われるものです。

サフランCrocus sativusは、アヤメ科の球根植物です。
赤い柱頭を乾燥させたものは、水に溶かすと黄色く染まることから、料理の香辛料として利用されています。
サフランライスとかですね。
サフランの乾燥させた花柱はフィールドセンター内売店「緑楽来」でも取り扱っておりますので、料理をされてみたい方は、ぜひ試してみてください。

空中栽培のやり方は簡単。トレーに並べるだけです。


完成品はこちら、パートの方が満面の笑みを浮かべられているのですが、
お見せできずに残念です。

花が咲くまではこのまま栽培を行い、花の花柱を採取します。

空中栽培はご家庭でも可能なので、試してみてください。

(新澤)

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2019年11月6日水曜日

空に浮かぶサツマイモ?


 陽も短くなり、夕方のチャイムも大分早い時間帯に。
 空気も澄み、明かりの少ない柏の葉キャンパスからは綺麗な星空が見られるようになりました。


 秋の深まるこの頃、薬用植物園では空に浮かぶ謎のサツマイモのような赤紫色の物体が姿を現しています。


 こちらはアケビ科の常緑つる性植物のムベ Stauntonia hexaphylla Sieb. Et Zucc.です。

 東アジアの暖地、国内では中部以南に自生し、春に花を咲かせると、秋には細長くところどころ凹凸を示す楕円形で赤紫色の果実が熟します。
 ムベはトキワアケビという別名でも呼ばれるようにアケビの仲間ですが、アケビとは異なり真っ二つに裂けることはありません。
 そのためか虫があまりつくことがないため、庭木としても利用されているようです。


 割ってみると、表皮の内側には固い層があり、その内側に半透明の果肉と黒い種子がみられます。
 この果肉部分はとろりと粘りのあるゼリー状になっており、ほんのりと甘い味を感じることができます。

 ムベは栄養価が高く、不老長寿の果実として皇室に献上された記録が残っているほど。
 新芽も山菜のようにおひたしにしていただくこともできるようです。



 また、果実のほかに伸びた蔓や葉を乾燥させたものは野木瓜(ヤモクカ、ヤモッカ)と呼ばれ、利尿薬や駆虫薬として利用されています。


 見た目はごろっとしたサツマイモのようにも見えますが、内部は瑞々しく栄養たっぷりな果肉の詰まったムベ。
 ぐんぐんと伸びる旺盛な生育から垣根として植えられるほか、鉢植え仕立てとしても楽しめることから、美味しい果実のおまけを楽しみに育ててみるのもよいかもしれません。

(安藤匡哉)

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2019年11月5日火曜日

準備。

 いつの間にか、もう11月です。つらい夏は長く感じますが、過ごしやすい秋はあっという間です。こんな季節だからこそ、頭を動かして、無駄のない日々にしなくてはなりません。

 10月より配属された3年生は、研究テーマが概ね決まり、実験計画書の作成へと移行を始めています。良い実験には、良い準備が必要です。そこで、時間を無駄にすることがないよう、予備試験の準備も進めています。

  こちらは、10月の中旬に行ったトルコギキョウの播種の様子です。トルコギキョウは播種から実験開始まで、約1.5ヶ月を要します。その後、2ヶ月の栽培試験を行うため、植物の栽培期間だけで、3.5ヶ月は必要です。さらに、採種したサンプル(植物)を用いて、目的とする成分や元素の分析を行っていきます。(道のりは長い。笑)
 栽培試験は時間がかかる上に、万が一、失敗してしまうと、その期間が無駄になるだけでなく、精神的ダメージ(ガーン!)が非常に大きいです。そのため、ある程度広い視点に立って、予備試験をしっかりと行い、本試験の目標設定やスケジュールに反映させる必要があります。

現在の様子。発芽が確認できます。
見えずづらくて申し訳ありません。

 また、通年を通して、環境制御下のもと栽培試験が出来るのも、苗生産部の皆さんに発芽室や苗テラスを貸して頂いているためです。普通の研究室では、まずあり得ません。そうした環境にあぐらをかかずに、強みを最大限に活かしながら、研究や教育に努めていく必要がありますね。


(黒沼)






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