2022年9月26日月曜日

ハマボウフウの生薬原料としての利用 ~国産の北沙参の生産~

当研究室内に事務局を置く、一般社団法人日本薬用機能性植物推進機構(JFPPAhttps://jfppa.or.jp/)の取り組みの一つとして、国内に自生している薬用植物の栽培化、農業生産品目としての可能性の検証と生薬原料としての評価を行なっています。その中で、日本に自生しているハマボウフウの多面的な利用として、国産生薬としての可能性を検証してきました。

 

ハマボウフウは、日本では海岸線に広く分布し、古くから若芽や葉、根などが食材(山菜)として利用されてきました。また、お刺身のツマなどの高級食材として、実際に栽培化も進んでいます。一方で国産のハマボウフウの生薬としての利用はされていません。

 

そこで、大網白里市にお住まいの当機構の会員でいらっしゃる生産者様のご協力のもと、種子から苗を育て、ハマボウフウの試作を進めてきました。播種から2年経過した2年根でも十分に根が肥大し、薬用として使用できることが分かりました。

 

ハマボウフウの生薬原料としての利用は、根を掘り上げてそのまま乾燥させたもの「浜防風」と、根を湯通しして根皮を取り除き、乾燥させたもの「北沙參(ホクシャジン、キタシャジン)」があります。それぞれ用途が違うようで、北沙參は生薬「防風」の代用品としても使用されてきた歴史があります。ちなみに生薬「防風」は植物名ボウフウの根を原料とし、生薬「沙參」はツリガネニンジンの根を示すようで、何だかややこしいですね~。

 

このたび、この試作を進めてきた「北沙參」が生薬として医療機関で採用されることが決まりました! 毎年、一定量の生産を大網白里市内で行なって頂き、生薬原料の供給がスタートします。その「北沙參」は、見た目は色白で、そのまま食べても苦みやクセはなく、ほんのり甘みのあるものに仕上がっています。専門の先生からも生薬として使用可というお墨付きも頂きました。また一歩前進です。 嬉しいお知らせでした。

 


ハマボウフウの根を湯通しして乾燥させたもの。黒色の地上部を取り除き、生薬原料として出荷されます。

 

 

 

 

 

 (渡辺 均)

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