春になると農耕民族の血が騒ぐのか、種子を播きたくなります。 昨年の5月に種子庫内の整理を兼ねて、長期間、苗生産施設内で保管されていた薬用植物や花卉の野生種などの種子を大量に播種しました。
その結果、秋にはユウガオの残骸が大量に出来てしまったり、スズメの猛攻撃に遭って、まったく種子が採れなかった観賞用のアワがあったりと、播種したは良いけど、その後は(?)というものもありました。
その中に十数種のスパラキシスの種子も含まれていました。これらの種子は、記録を見ると2011年に海外から購入したもので、なんと10年前の種子! スパラキシス(Sparaxis) は、南アフリカに原生するアヤメ科の球根植物です。園芸的には、赤色、橙色、桃色、黄色、白色など、鮮やかな花色の豊富な S. tricolorが知られています。以前には、園芸別科生の研究材料として、様々な花色のS. tricolorを栽培していました。
S. tricolor
そんなこともあって、S. tricolor 以外にもいろいろなスパラキシスの野生種を集めていたので、種子庫内に播種されずに残っていたのでしょう。
播種は、4号の輪鉢に鹿沼土の細粒を充填し、遮光資材をかけたハウス内で管理を続けたところ、8種ほどがすぐに発芽してきました。 10年も前の種子だったのですが! その後も地上部が枯れることなく生長を続け、先月下旬から咲き始めました。播種してからまだ10カ月ほどです。 開花したのは、以下の3種です。
S. maculosa
S. grandiflora subsp. acutiloba
S. villosa
結局、8種が発芽し、昨年秋になってさらに2種が発芽してきました。直径1~2mmほどのやや大きめの種子とは言え、その生命力には驚かせられます。今後の開花が楽しみです。
スパラキシスは花期が短く、チューリップやスイセンのような耐寒性が無いため、冬越しが難しく、また、カンナのように夏の高温多湿の環境を好まないため、日本ではあまり普及していない植物です。しかし、生育がとても早く、上手く育てると播種から開花までの期間は、球根植物としてはとても短く、さらに、小さな明るい色の花がたくさん集まって咲く姿は、春らしい明るい気分にしてくれます。小さな鉢植えや花壇のアクセントとして寄せ植えにするなど、もう少し使われても良い花ではないでしょうか。
(渡辺 均)
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