2014年8月13日水曜日

無謀な挑戦


お盆ですね、みなさまいかがお過ごしでしょうか?


さて、私はオタネニンジンの二年生休眠苗(出芽すれば三年生)を
播種から8ヵ月で出荷するという無謀な栽培試験(出荷もします)を行っています。


なぜ無謀といえるかというと、
まず、種子を発芽させるためには低温に長期間遭遇させなければなりません。
通常は春に発芽して、秋に休眠し、春まで目覚めません。
ですから、上記の二年生休眠苗を出荷するには、通常約2年かかるのです。


8ヵ月で出荷するには種子の早期発芽、苗の休眠制御等の問題をクリアしないといけません。
なんとしかし、見切り発車!(ある程度、予備調査はしましたが・・・)





これは播種時(約5か月前)





発芽し、展葉した様子(一年生苗)





しばらく育苗すると・・・あれれ枯れてきましたね。
地上部が枯死し休眠に入ります。
これがおよそ2週間前。
枯れた葉はきれいに取り除きました。




そしてある魔法をかけると、休眠が打破され出芽してきました。
これが今現在です(二年生苗)。
休眠は通常4~6か月ですが、魔法をかけてからわずか5日で休眠が打破されています。
予定よりも栽培は遅れていますが、何とか出荷までこぎつけられそうです。


今回の試験はとても単純なものです。
高度な理論、高価な分析機器・試薬などはほとんど使いません。
最も必要なのは人間と植物だけです。


こんな研究もすばらしいと思いませんか?


(新藤)


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