2016年6月28日火曜日

ニチニチソウのピンチ

昨日の園芸別科の実習は、「ニチニチソウのピンチ」。

「ニチニチソウ」は漢字で書くと「日々草」。
暑い夏に、日々、次から次に花を咲かせる、耐暑性の高い植物。
夏花壇の定番です。



このブログでも、ペチュニアなど、いろいろな植物の「ピンチ」作業をご紹介していますが、

この作業は、
枝数を増やして、花数を増やしたり、草姿をより良くする
出荷適期を過ぎて、延びすぎたり、花数が減ってしまった植物をリセットする
といった目的で行います。

ニチニチソウは節間が長く、元々の枝数はペチュニアのようには多くないので、
ピンチして、枝数を増やしてやります。それから、やや延び気味だったので。


ピンチ後、分枝してどのような高さになるかを想定しながら、ピンチ位置を決めて、
切っていきます。


節間の長いニチニチソウは、ピンチ跡が目立ちやすいので、できるだけ葉に近い位置で、
丁寧に。

ピンチ後、次の花が開花してくれば、出荷されていきます。

花が咲いている植物を丸刈りにするのは少し勇気が要りますが、確かに効果があります。
ご家庭のペチュニアなども、花や枝が少ないなと感じたら、思い切ってピンチしてみると、
数週間後には、美しい花を咲かせられますよ。

(金谷)

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2016年6月27日月曜日

切り花品種の野生種の再評価


 先週は、福島県の会津地方へ行ってきました。

 そこで、野生ではほとんど目にしなくなったキキョウを昔から農家の庭先で栽培されているのを数年前に見つけ、その株から種子を採り、増殖をしている圃場を見てきました。

 現在のキキョウの切り花品種は、花がもっと開くように改良されていますが、野生品種は園芸品種のように完全には開かず、受け咲きのような花の開き方をします。
 自家採種の野生系統は花型や花色の変化に富んでいますが、本来のキキョウの花色の濃青紫色の「桔梗色(ききょういろ)」が何と言っても特徴ですね(下画像)。



 自家採種した種子の後代から多様な花色や花型が出現





 市場取引で流通している切り花のキキョウのほとんどは、何となく青色であれば良く、横向きにパッと大きく平開し、1花茎当たりの花数が45花着いていて・・・・というキキョウ品種がほとんどですね。

 横向きでやや受け咲きで、昔ながらの桔梗色の野生種本来のキキョウの特性をもう一度活かした品種があっても良いのではないでしょうか。

 ポット苗や鉢花品種は、従来品種に野生種の血を入れてさらに新しい品種が開発されていますが、切り花品種はどうなのでしょう?


 切り花品種のマイナーチェンジの育種を否定するわけではありませんが・・・。
 斬新な品種が求められているのはポット苗や鉢花と変わらないはずですが、それをやらない理由付けが、どこかから聞こえてきそうです。

(渡辺 均)


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2016年6月24日金曜日

プリンターと秤で植物の成長を解析!

 本日は少しばかり、研究の内容について、ご紹介します。
下の写真をご覧ください。


 現代アートのようなこの写真は、セダムの葉をプリンターでスキャンしたものです。
美しさを画像におさめることが目的ではなく、この画像から、株全体の葉面積を計算します。

 植物の成長を考える上で、多くの方が、真っ先に思いつくのは「光合成」ではないでしょうか?
光合成速度の速い植物は、遅い植物よりも、植物の成長が速いように思えますが、
光合成だけで、植物の成長の速さが決定しているわけではありません。

 植物の成長を「ある製品の出荷量」に例えるならば、光合成速度は工場の「生産効率」です。多くの企業がそうであるように、工場の生産効率が一定以上高くなったら、次は「工場の面積」を大きくし、出荷量の増加を図ります。
ここで、工場の面積にあたるのが、「葉の面積」です。

 このような考え方に基づいて、植物の成長を解析することを、
その名の通り「成長解析」と呼びます。
この手法は、
・秤で植物の重量を計測すること
・葉面積をスキャナー等で計算すること
・高校数学の知識を使うこと
の3つの条件がクリアされることで、科学的に、何故この植物の成長が速いのか、遅いのか?を理解することができるのです。


 下の写真は、キルタンサスを灌水頻度の低い個体から、順に並べたものです。


 乾燥や貧栄養などの条件は、光合成速度を低下させるだけでなく、
水や栄養を出来るだけ多く獲得するために、葉よりも根を優先的に成長させます。
そのため、葉面積の拡大が遅れ、植物全体の成長も遅くなっているのです。


 光合成速度を目で判断ことは難しいですが、葉面積や株張りは、目で判断することができます。
身近な植物の花や実の量を増やすためにも、工場の面積を増やす管理を心がけてみてはいかかでしょうか?



学生:黒沼

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2016年6月23日木曜日

シバ 'みじょか’の出荷



明日、何度か当ブログに登場している、
シバ‘みじょか’の出荷があります。

‘みじょか’は生育が遅く、伸びにくい性質から、
芝刈りなどのメンテナンスが軽減される芝として、
各所から注目されている芝です。












今回は2.5号ポットでの出荷となります。

この芝は消費者に直接販売するのではなく、
ホームセンターで売られているような、マット状の切芝にするため、
広い畑にポットで定植する「種芝」として出荷します。

個人のお客様などへの小売りはおこなっておりませんのでご注意ください。








シバの出荷調整の後は、
「鉢洗い」。

今日もたくさん洗ってもらいました。




(長嶋)



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2016年6月22日水曜日

ペチュニア交配種子の播種


 晴れれば30度を超す日が増すにつれて、周りに肌の焼けた人が増えてまいりました。
 水分は欠かさず取るべきですが、取りすぎによるバテにも気をつけたいですね。



 今回の実習では、前回採種したペチュニア交配種子の播種をおこないました。
 播種というと、苗生産の他の記事にあるようにセルトレイに播いたり、直に露地に播いたりといろいろな方法がありますが、今回はシャーレを使って播きました。


 なにやら高度な実験のような雰囲気が漂います。
 昨今の植物工場でも見られるように、植物の生長自体には必ずしも土は必要ではありません。
 種子の発芽も同様に、『水・酸素・温度』が適した条件下であれば、きちんと発芽します。



 シャーレに播く利点としては、滅菌されているためにカビが生えにくいことや、密閉することで湿度を保てることが挙げられます。
 また、ジベレリン処理などの発芽処理をおこないやすいことなども利点ですね。


 ジベレリンとは種子の発芽促進や休眠打破に効果のある植物ホルモンの1種です。
 自然状態でも種子の内部で合成される物質で、光合成のできない種子のエネルギー源となるデンプンを分解する、アミラーゼ酵素の合成を誘導します。

 このジベレリンを外部から加えてあげることで、発芽を手助けします。
 このホルモン溶液をシャーレ内に重ねて置いた濾紙に含ませて、その上に種子をばらっと。



 ばらまいた種子が1ヶ所にかたまっていると、発根した際に絡まって引き離しにくくなってしまうため、セルに上げるときのことを考えて、ピンセットを使ってせっせと離していきます。
 ペチュニアの種子はゴマよりも小さな粒なので、この作業が大変大変。


 シャーレの上に名前を書いて完成です。
 発芽するまでは、このまま一定の温度が保たれた部屋に置いておきます。

 来週か再来週には芽が出ているのではないでしょうか。
 ちゃんと発芽してくれるかな?

(安藤 匡哉)

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2016年6月20日月曜日

皇太子同妃殿下が当センターをご視察されました

  612日に県立柏の葉公園で開催された第27回全国「みどりの愛護」のつどいの式典にご臨席された後、当センターを訪問されました。

 当研究グループで管理している薬草園もご視察の予定に入ることになり、学生さんと教職員の協力のもと準備を進めてきました。薬草園内の整備・除草もさることながら、診療所の前にも花卉・苗生産部のさくらさくらシリーズや花壇苗を定植しました。昨年秋に植えられたアーチチョークをそのまま活かした花壇はセンターらしいですね。


 当日は、センター長が案内役となり、診療所内で勝野先生と松本先生から生薬と鍼灸(艾)のご説明を受けられたのち、約350種の薬草や薬木、ハーブなどが植栽されている薬草園を私がご説明しました。


 イブキジャコウソウが植栽されている花壇の前で、実際に植物に触れていただきながら、殿下からは、「イブキジャコウソウですね。知っていますよ。良い香りがしますね。いろいろな薬効があるのですね。伊吹山に登られましたか?私も登りました。昔、織田信長が伊吹山の山頂に薬草園を開いたという記録があるそうですね。」などとお話し下さいました。妃殿下からは、「いろいろな植物が健康に役立つのですね。」というお言葉を頂きました。


 私たちが取り組んでいる薬用植物の国産化に向けた研究や取り組みについてもご関心をお持ちいただけたようです。

 これからも、センターのミッションである人々の健康に役立つ「植物」をキーワードに、花卉はもちろんのこと、医学や薬学、鍼灸学の先生と連携しながら研究を進めていきたいと思います。

千葉大学HPもご参照下さい。
http://www.chiba-u.ac.jp/others/topics/info/20160613shisatsu.html




(渡辺 均)

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2016年6月17日金曜日

燻煙殺虫剤による害虫駆除

今回は害虫駆除について書いてみようと思います。
先日、私の実験植物にハダニとアザミウマが発生してしまいました。早急に駆除しなければなりません。

ハダニやアザミウマが農作物へ及ぼす被害は、直接的被害と間接的被害の2つに分けられます。

直接的被害は、主に食害です。吸汁されると、葉に白い斑点が生じます。野菜や果樹などでは、果実にすじ状の被害痕が生じたり、曲がり果が発生するという話も聞いた事があります。

間接的被害は、病原ウイルスの媒介のことです。これがとても厄介で、一度ウイルスに感染してしまうと株が病気にかかり、最悪の場合枯死してしまいます。

これらの被害を防ぐべく、定期的に化学薬剤の散布によって害虫から植物を守っています。同じ薬剤を使い続けると、害虫が薬剤に対する抵抗性を持つようになるため、散布時には必ず最近使ったものと異なる薬剤を組み合わせて散布しています。

今回は、燻煙殺虫剤を用いて防除を行いました。
燻煙殺虫剤は、ハウス内に殺虫成分の入った煙を充満させて死滅させる薬剤です。煙が植物全体に行き届く為、むらなく駆除できる便利な薬剤です。しかし、安全面や気密性の観点から、煙がハウス外に漏れないよう、ハウスの密閉を徹底する必要があります。

ハウスに破れている箇所が無いかチェックし、気温が下がるのとハウス周辺に人がいなくなる時間帯まで待ちます。天窓や側窓を閉めきり、空いている箇所が無いか最終確認します。


さあ燻煙開始です。

急いでハウスから逃げます。
あとは入口を閉めて終了です。

燻煙殺虫剤使用時のハウス内の様子

今後も安全性に配慮した農薬利用を徹底していきます。

(修士1年:井上)

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