当研究室では、トウキやオタネニンジン、オケラなどの薬用植物の早期発芽や短期育苗技術の開発を行なってきましたが、薬用植物のオウレン(生薬名:黄連)の早期発芽にも成功しています。
オウレンは、播種してから収穫までに早くても5年(圃場栽培)、自然条件(林床)で栽培すれば10年以上を要する非常に時間のかかる植物です。以前は、多くが国産品でしたが、現在はほとんどが中国からの輸入に頼っています。栽培時間の長さと買取り単価の安さ、栽培者の減少・・・このストーリーは、他の薬用植物と全く同じですね。
オウレンは、ふつう2~3月頃に花を咲かせ、6月頃に種子が得られます。その後、夏場の高温により胚が形成され、冬場の低温により休眠打破されます。その後、翌春に発芽してきます。つまり、自然条件では、発芽するまでに10か月近くを要します。
ところが、下の画像のように採種してから、段階的な温度処理を加えると、播種したその年の9月には発芽が始まります。
温度処理によって発芽が始まったオウレン
この種子は、愛媛県の久万高原町の方から試験的に種まきの依頼を受けたものですが、無事に早期発芽に成功しました。翌春まで無加温ハウスで栽培して苗を大きくさせた後、現地の圃場に定植し、短期間で収穫できる方法を検討します。
(渡辺 均)
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