2024年7月29日月曜日

オタネニンジンの種子精製と芽切り処理

今年もこの季節がやってきました。

真っ赤に熟したオタネニンジンの果実を洗い、種子を取り出し、数日乾燥させてから砂に播く作業を行ないました。

 

赤熟したオタネニンジン果実

 

 果実をザルにいれて潰し、水を入れたバケツの中で果皮・果肉と種子を選り分けていきます。ところが、今年の種子は浮き種子が多く、いつもなら種子は沈むのですが、果皮も果肉も種子も浮いてしまうので、選り分けるのが大変。沈む種子と浮種子を分けて数日間乾燥させました。

 

洗った後は数日間乾燥


 乾燥後は芽切り処理に移ります。数日間乾燥させた種子にGA処理を行なった後、砂の中に播いていきます。いわゆるこれが芽切り処理と言われるものです。

 砂と種子を6:4の割合で混ぜて大きな鉢に播く方法と、砂と種子を層のように播く方法があります。今回は両方行ないました(画像を撮るのを忘れました!)。

 

 播種後、十分に灌水した後、25℃に設定されたインキュベータ内で30日間、その後、15℃で3カ月間芽切り処理を行ないます。そうすることでと、やっと発芽可能な種子を得ることができます。その頃はもう年末ですね~。

 

今年のオタネニンジンの種子は、肥大期に高温が続いたせいで、種子内に空洞ができてしまい、それが原因で浮き種子になってしまったようです。全体の3割近くが浮き種子になってしまいました。

 

オタネニンジン栽培の振興には、品質の高い種子の安定供給が望まれていますが、現実には種子の入手すら非常に難しくなってきました。何とかしないと。

 

 

(渡辺 均)

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