2018年5月31日木曜日

史上最速!?

毎年12月の第一土曜日はシクラメン祭が
千葉大学環境健康フィールドセンター内 シーズホールで開催されます。

ということで今年のシクラメン祭12月1日(土)
史上、最も早いシクラメン祭です。


残された期間はあと6ヶ月。
果たして無事にシクラメン祭を迎えられるのでしょうか?
生産予定も前倒ししていかないと間に合いません。


昨年11月に播種したシクラメン。

ジベレリン処理中のシクラメンの種子


2月に3号ポット(9㎝ポット)にポット上げしました。

本葉が展開し始めています。




そして現在は下の写真の状態。






4.5号ポット(13.5㎝ポット)へのポット増しを急ピッチで行っています。






専用のポット型コンクリ―トを使用し、
少し大きいサイズのポットに植え替えます。



 コンクリートで型抜きをします。


パートさんの早業!





スピードだけでなく、ポイントを押さえた丁寧さが重要です。

コンクリート周りの土を少し押し込んでいます。



下の写真がポット増し後の状態です。
鉢内の土を見てください。

株は鉢の中央に植えられています。
土は端から端まで綺麗に直線を描き、ウォータースペースの線がギリギリ見えています。
生長点(塊茎の先端)は用土の上部にあり、水をかけても土に埋まることはありません。
塊茎はしっかりと半分以上が土中に埋まっており、
株がグラグラすることもありません。

理想的な状態です。





学部2年生の実習でもポット増しをおこない、
本日2500ポットすべて完了しました。



13か月の栽培期間も残りあと6ヶ月、
折り返し地点からの後半戦が本当の勝負です。

(長嶋)


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2018年5月30日水曜日

フライング開花

 6月もそろそろというところですが、既に屋外作業によって肌が焼けてきました。
 このままいくと、夏はどこまで黒くなれるか楽しみでもあります。


 さて、梅雨にしっとりと咲くイメージのあるクチナシですが、薬草園の奥では既に開花が始まっています。



 4月上旬に定植した垣根用のですクチナシGardenia jasminoides

 学名の種小名に「ジャスミンのような」という意味があるように、香り豊かな花ですね。




 まだまだ小さい株ではありますが、それぞれの個体から34花をつけ、甘い香りを放っています。

 梅雨時に根をしっかり伸ばして夏には降雨のみでもたせられれば、とも考えていましたが、既に30℃近い気温と照りつける太陽が土の水分を奪っていくため、2日晴れの日が続くと乾き気味になってしまいます。

 そこで、薬草園圃場の畝と同様に灌水チューブを取り付けてみることに。




 今回はマルチ下ではなく防草シートの下に滑り込ませました。


 今年はこの樹高で頭打ちかもしれませんが、23年後には立派な垣根となり、多くの白い花をつけてくれることでしょう。
 クチナシの花が終わる頃には夏…とはならず、しばらく雨が続きそうですね。



(安藤匡哉)

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2018年5月29日火曜日

今日はJFS第一回審査会

 今日は、第一回JFS花壇の審査会です!
審査前の圃場の様子はこちら!



 昨日、徹底的に除草を行ったため、非常に綺麗です!今年はどの品種が、賞を受賞するのでしょうか?これからが楽しみです!


黒沼


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2018年5月28日月曜日

何事も基本から ~ シクラメンの鉢増し用の用土づくり ~

 新学期が始まって2ヶ月が終わろうとしています。今年度も4月から実習メニューに従って学部学生の実習が行なわれています。先週の園芸学科3年生の栽培・育種学専門実習はシクラメンの鉢増し用の用土を作りました。2年生の時に鉢増しは実習済みです。

花卉・苗生産部には数種の用土を自動でブレンドしてくれる「用土ライン」がありますが、今回は基本的な混合方法を理解するために、用土・肥料の計量と混合を手作業で行いました。

花卉・苗生産部の鉢増し時のシクラメンの用土の配合は、赤玉土、腐葉土、ピートモス、ゼオライト、バーミキュライトに元肥(ロング肥料)、苦土石灰をブレンドしています。それぞれの用土の特徴や役割などを説明し、実際に各用土に触れてもらった後に指示した配合割合に基づいて、バケツなどを使って計量して貰いました。今回の実習では500リットルのシクラメン用の用土を作りました。



計り終えたら次は混合です。2人一組になり、スコップを使用して土の粒を潰さないように交互に土の山を切り崩して混ぜていきます。相手のスコップの動きを見ながら、交互に交互にリズム良く、丁寧に・・・。



 一回の実習だけでは、なかなか上手にはできませんが、自分たちで実際に用土を作ることで、用土の混ざり具合やその良し悪しを自分の目で確認することができます。また、機械化することの利点や課題なども理解して貰えたのではないかと思います。

今回も私が実際に最初にやって見せてきたのですが、そろそろ引退が迫っていることを実感します。足と腰が・・・。息が続かない・・・。私自身が用土ラインの有難味を感じる実習になりました(笑)
 (渡辺 均)

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2018年5月25日金曜日

土がなくても平気

 ビッグニュース?!1000属ハウスの中の木の上に、植物が生えてきた?!


 さあ、ここで問題:この植物は何でしょう?



 正解はチランジアTillandsiaという植物です。
 …しかし、生えてきたのではなく、私たちが木の上に置いたイタズラです。()
 花屋の小物コーナーなどで見かけた方もいるのではないでしょうか。


 初めてチランジアを見た方は、土から離れて置かれた植物体をあまり見慣れないかと思いますが、土がなくてもそのまま生きられる植物なのです。


 チランジアは北アメリカ南部から南米にかけて広い範囲で自生する、パイナップル科チランジア属の植物です。
 原生地では樹木の幹や岩などに着生しています。

 根はあまり発達しておらず、葉などから水分や養分を吸収します。土が必要ないので、エアプランツとも呼ばれます。
 チランジアは育てる手間がかからないことや、100円ショップなど身近なところで簡単に手に入ることから人気が高まり、最近では定番のアイテムになってます。


 戸外やベランダなどに置いた場合は、ほとんど水やりしなくでも大丈夫です。
 ただ元々半日陰で育つ植物ですので、直射日光が照りつける場所は避けた方がよいでしょう。

 室内に置いた場合は、朝夕1回ずつ、霧吹きなどで株全体を湿らせます。
 肥料はほどんと必要がありませんが、春と秋の成長期にやや薄めに希釈した液肥を与えれば、生育はもっと良くなるでしょう。


 株分けで増殖ができますので、一つの子株を取って、テーブルの飾りとして、そのまま置いても、おしゃれですね。


(修士2年:王)

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2018年5月24日木曜日

夏の風物詩

母の日の出荷が終わり、
お陰様でほぼ空になった育苗ハウス。

次は何が広がるのかというと、
毎年恒例のペンタスです。


一昨年の様子














http://naeseisan2.blogspot.jp/2016/07/blog-post_21.html


六本木のけやき坂周辺に植えられます。

3月上旬に播種をして、下の写真の大きさになるまで一月半。
一般的な花壇苗は一月でこのくらいまで生長することが多いので
期間も気遣いも通常の1.5倍!














アカネ科のペンタスは、比較的根が弱く初期成育が緩慢です。
そのため、幼苗時には特に、乾かし気味に。
灌水量が多いと発根が遅くなる上にコバエなどが発生しやすくなります。
でもセルトレイでは保水率が高くないので乾かしすぎにも注意・・・!

なかなか苦労する幼苗期ですが、
移植できるほど大きくなれば、
不安要素はかなり少なくなります。



4月中旬にポット上げ。
ポットの土にも気を遣います。
普段使っている土の配合より、
ピートモスを減らしてパーライトを増やし、排水性を良くしています。


















ポットに移植後、一週間で突然、葉が大きく展開します。
ただし、やっぱり灌水は控えめ。
湿り気が続くと立枯れ病やコバエ発生の危険性が非常に高いです。

そして気温が高まる今日この頃、
アブラムシはペンタスもお好きなもよう・・・
ポット上げ後、根が活着し始めたら、
早めに浸透移行性のある粒剤(農薬)を処理します。

ポット上げ後、一月したら、
今度は葉が重なり合ってくるので徒長する前にスペーシング。
















がらんどうだった育苗ハウスも
これでかなりぎゅうぎゅう詰めに戻りました。



けやき坂の植栽は、年によってカラーが違うのですが、
今年はいつもとはちょっと変わった花色の予定です。
早い株はもう花芽が見え始めましたので、
どんな花が咲くのか、開花をお楽しみに♪



(池田)


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2018年5月23日水曜日

防草シート設置


 晴れた日には夏のような暑さに辟易しつつも、雲の広がる日にはまだ5月だと思わせてくれる気温で過ごしやすいですね。
 外での作業日には、雲が恋しくなります…。


 先週、薬草園の露地圃場への植付について紹介しました。
 去年も同じ場所に植付を行いましたが、今年は灌水設備やマルチなど、維持管理の手間をなるべく省くことのできるように、改善を行っています。

 それに合わせて、植物を植えている畝と畝の間にも、防草シートを貼り付けました。
 去年は雑草が伸びてきては除草を延々と行っていましたが、少しは除草の頻度が下がってくれれば…!


 畝間の距離に合わせて防草シートをカット。
 強度が高く、なかなかハサミが通りません。

 普段敷かれているシートを見る際には気にしなかった格子状の線ですが、メーカーの工夫により、20 cm間隔で青い線、1 m間隔で赤い線が入っているため、大体の大きさを判断しやすく、実際に使用する際にはとても役に立ちます。



 シートの端は、切れ端をそのまま張らずに、一度織り込んでから設置することで、端から糸くずが出たり破れが進むことを防ぎます。



 シートの留め具の名前は「黒丸君」。
 …農業資材のキャッチーなネーミングはどこから来るのでしょうか、分かりやすくて良いですが。



 一部ではありますが、シート貼り付け完了です。
 植物がまだ小さいので、まだ見映えがやや物足りないところですが、すっきりとして管理がしやすくなりました。
 種苗会社の見本園で、同じような景色を見たような?


 マルチの穴や、シートの端からですら元気に出てくる雑草取りは必要ですが、定期的に短時間の除草作業を繰り返すことで、綺麗な状態での維持管理を続けていきたいですね。

(安藤匡哉)

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2018年5月22日火曜日

年に1度の農機具講習会

 今日は、年に1度の農機具講習会。この講習会に参加しなければ、学生さんは農機具を使用することが出来ません。そのため、例年、学部3年生の実習時に、講習会が開催されています。

 技術職員の方々が、使用方法を丁寧に説明していきます。

トラクター

手動の耕運機

そして、われらが長嶋さんも、刈払い機の実演に登場!

 この講習会を参加したからといって、使い方をマスターすることは出来ませんが、農機具の有用性と危険性を知ることが第一歩です。炎天下の中、真面目にノートをとる学生さんも多く、我々職員も初心忘れるべからずですね。

さて、農機具講習会の話だけではと、薬草園に出向いてみると...

イブキジャコウソウが満開です!

また、こっそり定植したアリウム ギガンチウムも満開!!

さらには、アーモンドの実がなっていることを、池上先生に教えて頂きました!

 生産や除草に必死になっていると、忘れてしまいがちですが、植物を楽しむ気持ちも、初心忘れるべからずですね。

黒沼














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2018年5月21日月曜日

モモの苗木生産 ~ 桃源郷をつくる! ~

桃源郷? ついに渡辺も頭がおかしくなったかと思われるでしょう・・・。真面目なお話です。このプロジェクトのキーワードは耕作放棄地対策、地域景観、観光資源、生薬原料、地域雇用です。中山間地の遊休農地にモモの苗木を植え、地域の景観の維持と観光資源としての活用を考えてのプロジェクトです。モモといっても栽培管理が難しい果実を食用とする生食用のモモではなく、仁(じん)を桃仁(とうにん)として利用する比較的管理の容易な薬用のモモです。生薬原料としても、多少の収入になれば良いのではという考えもあります。薬用のモモの花も綺麗ですが、果実は小さく果肉は食用には向きません。
花卉・苗生産部では色々な種子を蒔いてきましたが、モモの種子は初めてです。種子は全部で20㎏! 当然、播種ラインは使えず、従来どおり苗床を作ってのタネ蒔きを昨年の6月に行ないました。その前に吸水です。
種子を流水中に浸漬し、
浮いてくる種子はざるに入れて選別しておきます。

数日浸漬し、十分に吸水させた後、水を切っていよいよタネ蒔きです。

畝立てした後、鉄パイプを押し当ててくぼみをつけ、
そこに筋状にタネを蒔きました。
覆土をした後、灌水チューブを取り付けて作業完了!

その間は、土を乾かさないように灌水し、秋には防寒対策として、敷き藁や寒冷紗をかけて冬越しをさせました。霜柱の恐れがなくなる春先に寒冷紗を取り外し、3月下旬には発芽が始まりました。
3月の様子。左側の畝は寒冷紗で防寒、右側の畝は敷き藁で防寒。
敷き藁の方が発芽がやや遅いですね。

現在の様子。高さ3040 ㎝ほどに生長しました

 追肥をしながら生育を促し、今秋もしくは、来春には掘り上げて出荷をする予定です。色々な分野の方々とお付き合いをさせて頂くと、植物に関する様々なニーズや疑問をお持ちであることに気が付かされます。その方々が何を求めていらっしゃるのか? 時には私たち作り手側では考えつかないような今回のような発想を投げかけられることがあります。それに対しても否定的に捉えず、どうしたら実現できるのか、作り手側も柔軟な発想でご支援・対応ができるようにしなければなりませんね。それにしても、これだけの苗木が成木になって開花したら、それこそ桃源郷のようになるでしょうね。今から楽しみです!


 (渡辺 均)

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