いつもご覧いただき、ありがとうございます。
花卉・苗生産ブログを応援してくださる方は、
こちらを1日1回クリックしていただけると、、、
人気ブログランキングへ
ブログランキングがあがります。
これからも応援よろしくおねがいします!
トレイ販売を始めました。
詳しくはホームページへ!
花卉・苗生産部トレイ販売ページ
花卉・苗生産ブログに関するお問い合せは、
こちらからどうぞ→fc-naeseisan@office.chiba-u.jp
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
今年もこの季節がやってきました。
真っ赤に熟したオタネニンジンの果実を洗い、種子を取り出し、数日乾燥させてから砂に播く作業を行ないました。
赤熟したオタネニンジン果実
果実をザルにいれて潰し、水を入れたバケツの中で果皮・果肉と種子を選り分けていきます。ところが、今年の種子は浮き種子が多く、いつもなら種子は沈むのですが、果皮も果肉も種子も浮いてしまうので、選り分けるのが大変。沈む種子と浮種子を分けて数日間乾燥させました。
洗った後は数日間乾燥
乾燥後は芽切り処理に移ります。数日間乾燥させた種子にGA処理を行なった後、砂の中に播いていきます。いわゆるこれが芽切り処理と言われるものです。
砂と種子を6:4の割合で混ぜて大きな鉢に播く方法と、砂と種子を層のように播く方法があります。今回は両方行ないました(画像を撮るのを忘れました!)。
播種後、十分に灌水した後、25℃に設定されたインキュベータ内で30日間、その後、15℃で3カ月間芽切り処理を行ないます。そうすることでと、やっと発芽可能な種子を得ることができます。その頃はもう年末ですね~。
今年のオタネニンジンの種子は、肥大期に高温が続いたせいで、種子内に空洞ができてしまい、それが原因で浮き種子になってしまったようです。全体の3割近くが浮き種子になってしまいました。
オタネニンジン栽培の振興には、品質の高い種子の安定供給が望まれていますが、現実には種子の入手すら非常に難しくなってきました。何とかしないと。
(渡辺 均)
夕方でも明るくて、時間感覚がなくなってしまいそうです。
学部4年の五味です。
以前のブログで、昨年自分で開発した‘紫雫’を親株に、ペチュニアの交配を行ったお話をしました。
毎日猛暑が続いておりますが、播種したペチュニアは、苗テラスで順調に成長しています。 (涼しくて羨ましい…!)
先日の実習で、このペチュニアの芽をセルトレイからポットに移植 (ポット上げ)しました。
こちらが、ポット上げ前のセルトレイでの様子です。
他にもいくつかの組み合わせで交配したのですが、その中でも成長が旺盛でした!
実は、‘紫雫’は従来のペチュニアと比べて草姿が弱いように思っていたので、こんなに成長がよいとは予想していませんでした。‘紫雫’と交配した‘桃色吐息’という品種は、暑さや寒さ、雨、病害虫に強いそうなので、そのおかげでしょうか?「新しい形質を持った品種の誕生」が、交配のおもしろさだと実感しました。
しっかり成長してくれて、とりあえず一安心です。
そしてポット上げ完了!
この後、しっかりと灌水をしました。
品種の選抜は、9月頃の予定です。
まだまだこれからも暑い日が続きますが、元気に成長してほしいです!
(学部4年 五味)
7月21日(日)のNHK趣味の園芸に出演しました。
乙葉グリーンサムへの12か月に2回目の登場でした。話題は夏バテ対策、おもにベランダでの植物の暑さ対策について解説しました。
これだけ暑いと植物も弱ってしまいます。おもに鉢(コンテナ)内の地温上昇をいかに防いで、根を守るかがポイントです。
暑いからといって、毎日何となく灌水を続けていると、根が弱って水の吸収力が弱り、用土が乾きにくくなることがあります。そう感じたら、水やりを少し控え、鉢土の表面が乾いてから灌水をするようにしましょう。
それでも、下葉が落ち、葉が萎れてしまい、元気がなくなってしまったら、早めに抜き取って、傷んだ根を取り除き、清潔な新しい用土に植え替え、涼しい日陰で回復をさせましょう。
植物だけではなく、ヒトにも夏バテ対策ということで、ベニバナ、クロモジ、赤ジソのお茶(ジュース)をご紹介しました。乙葉さんに飲んで頂きました。
夏バテ対策に最適な飲みもの
最後に4月から栽培を続けているかリブラコアを持って記念撮影! 横に並んで撮影して頂いたのですが、私がかなり前に立っているように見えますね~(遠近法?)。
収録終了後に記念撮影
再放送もありますので、見逃した方はぜひご覧ください。
(渡辺 均)
梅雨明け前なのに猛暑が続いています。人も植物も夏バテ気味?
高温と水のやりすぎでハナスベリヒユ(ポーチュラカ)が根腐れしてしまいました。地際の茎と根が傷み、下葉が落ち、葉を閉じてしまいました。それでも茎の先には小さな花をつけています。
根腐れしてしまったハナスベリヒユ
傷んだ部分を取り除き、まるで挿し芽のようでしたが、植え替えて2週間後、下の画像のように見事に回復して花を咲かせてくれました!
回復して開花したハナスベリヒユ
根腐れがもっと酷かった別の株も植え替えてみました。さすがにすべて回復というわけにはいきませんでした。何とか一部が生き残ってくれました。
重症な株
一部回復!
植物も人間も早期発見、早期対応(治療)が早期回復のカギですね。夏は水切れが心配で何となくじゃぶじゃぶ水をやりがちですが、用土が乾きにくくなったら夏バテ(根腐れ)の兆候です。しっかり観察して大切な植物を夏バテ(根腐れ)から守りたいですね。
(渡辺 均)
今日は薬木(やくぼく)の話題です。薬に利用される木本植物のことです。その利用部位は、樹種によって樹皮、幹、根、葉、果実、蕾などいろいろです。
国内での生薬原料としての薬木の生産は、これまで林業と密接に関わってきたようですが、採取者の減少、林業の機械化・効率化(皆伐・チップ化)などにより、将来的な安定供給が不安視されています。
ということで、10年ほど前から、木本の薬用植物の苗生産にも取り組んでいます。キハダ、ニガキ、コブシ、ウラジロガシ、クコ、クチナシ・・・。 播種したり、挿し木をしたり。
キハダ(実生1年目)
キハダ(実生10年目)
ウラジロガシ(実生5年目)
コブシ(実生1年目)
コブシ(実生8年目)
花卉・苗生産部で育苗した実生は、休耕地に植え付け、グングン生長しています。クチナシやクコは収穫できるようになりました。将来的な国産生薬の安定供給のために育苗と定植を継続しています。また、採取することも考えて仕立て方などについても検討を続けています。
今年芽が出たキハダの苗木が収穫できるのは15年~20年後。その頃のことを考えて、苗生産を続けていますが、20年後の自分のことはまったく考えられませんね。
(渡辺 均)
令和6年も半分が終わってしまいました。月日が経つがどんどん早くなっている感じがします。
さて、6月の土曜日は今年も放送大学の非常勤講師で花の講義を行ないました。今年のテーマは花木と球根植物でした。花木の挿し木、分球やむかごの植え付けなどの「宿題」付きです。失敗ができない、枯らせない宿題ですね。
最終回は、例年どおり柏の葉キャンパスでの施設見学と実習でした。切り戻しと寄せ植えを行ないましたが、この二つができれば、園芸の基礎はばっちりだと思っています。あとは、水やりさえ失敗しなければ、長く植物を楽しめるはずです。
切り戻しや摘心のコツさえつかめば、伸び過ぎた枝や乱れた株を切ることで、常に美しく株を維持することができます。また、寄せ植えは、植える苗の根鉢を崩したり、植え付けた株のすき間に土を入れたり、ウォータースペースにも注意した受け付けをしなければなりません。これらのことができるようになると、弱った株の植え替えや再生などにも応用することができます。
挿し木や種まきも講義で行ないますので、この講義で基本的な園芸作業はほぼできるようになるはずです・・・・・。
これまで、途中数回のお休みがありましたが、この講義をお引き受けしてから14年が経過しました。講義の「宿題」たちが受講生の室内やベランダ、お庭で元気に育っているようです。
(渡辺 均)