春休み期間中に希望する学生さんと接ぎ木の実習を行ないました。
通常の園芸学科2年生の実習では、タネ播き(播種)をはじめ、株分け・分球、挿し芽などさまざまな繁殖方法を学んで貰いましたが、接ぎ木は刃物を使用するため、さすがに大人数では危な過ぎてできません。また、最近の学生さんは鉛筆をナイフで削るような経験も少ないため、刃物の使い方そのものが実習になってしまい、それで終わってしまうこともありました。そのため、15年ほど前から希望する学生さんを募って実習を行なっています。
3年生の花卉の専門実習では、取り木を行なっていますが、学生さんの刃物の使い方を見ているとヒヤヒヤします。もちろん、安全には十分な配慮をしていますので、怪我はありませんが・・・・・。
毎年、接ぎ木に使う植物材料はほぼ同じなのですが、今年は柑橘(レモン)を加えて実習を行ないました。いくつかの植物で実習を行なうのは、樹種によって木の硬さが異なるため、それによって難易度が違うためです。今回の材料で接ぎ木が簡単な順に、
・ ムクゲの異なる品種を台木と穂木にして接ぎ挿し
・ カラタチを台木にレモンを穂木にして接ぎ木
・ オオシマザクラを台木に八重桜を穂木にして接ぎ木
さてその結果は、
・ムクゲ; 接ぎ木したものを鹿沼土に挿しましたが、すべて活着したようです。この株の台木と穂木から1本ずつ枝を伸ばし、鉢植えにしてから剪定を繰り返すと、1株で2色の花を楽しむことができます。
ムクゲの接ぎ挿し
・レモン; 1株だけ失敗しましたが、あとの59株は穂木の部分から新芽が伸びてきました。
成功!
レモンの接ぎ木(1株失敗)
レモンの接ぎ木(新芽が伸長、成功率98.3%!)
・サクラ; すべて失敗!
やはり、樹種によって成功率が異なりました。枝の硬い樹種ほど穂木の調整と接着面の合わせ方が難しかったようです。レモンもリスボンレモンとユーレカレモンを穂木として使用しましたが、リスボンレモンを穂木にした方は、芽の伸長が遅いようです。
果樹のほとんどの品目では、今でも接ぎ木によって増殖されています。また、野菜でも多くの果菜類は接ぎ木が行われています。接ぎ木は古い技術のようですが、今でも重要な園芸技術の一つです。
「特技は接ぎ木です!」と言えるような学生さんも数多く育ってくれればと思っていますが・・・・・。
(渡辺 均)
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