2023年2月27日月曜日

特技は接ぎ木です! ~特別実習接ぎ木編~

先週の火曜日に園芸学科2年生の希望者を対象に接ぎ木(切り接ぎ)の実習を行ないました。接ぎ木は新しい技術ではありませんが、現在の農業分野でも欠くことのできないとても重要な技術の一つです。

 

全国に農業系の大学はたくさんありますが、接ぎ木ができる学生さんは、そう多くはないでしょう。そういう意味で、就職活動の際に「特技は接ぎ木です!」と言える学生さんがいても良いのにと思っています。挿し木でも、剪定でも、摘花でも何でも良いのですが、もう少し栽培技術に関心をもって貰えたら・・・・・。

 

通常の実習で接ぎ木を行なっても良いのですが、切れ味抜群の刃物を使うので、私自身が刃物を使わせてまで実習を行う勇気が起きません。最近はナイフで鉛筆を削れない学生さんが多く、数年前まで行なっていた剃刀を使ったペチュニアの挿し芽でも、必ず毎回数名が怪我をしていたことから、刃物を使うことを極力避けるようになりました。ちなみに最近の挿し芽の実習では、解剖用のハサミを使用しています。

 

そのような状況の中で、ある学生さんが私の講義の終わりに「接ぎ木の実習をやりたい!」というご相談を受けたので、少人数でもあり、有志数名と研究室の学生さんとの合同で接ぎ木の実習を行なうことにしました。

 

接ぎ木の植物材料はサクラ。台木はオオシマザクラの3年生の実生、穂木はキャンパス内に植栽されている八重桜の普賢象を使いました。台木を実習の10日前にハウスに入れておきました。ひととおり接ぎ木の目的などを概説し、接ぎ木に使用するナイフの研ぎ方を実演、その後、各々が実際に研いで切れ味を確認。さらに、穂木の切り方を何回か練習し、台木の切り方、接ぎ木テープでの巻き方を解説して実践!


刃物が使えることが前提ですが、参加された皆さんは大丈夫そうでした。次の関門は、接ぎ木ナイフの切れ味です。研ぎが上手くできていないと、切り口がぼそぼそになったり、切り口が潰れたり・・・。さらに穂木を水平に真っ直ぐに削らないと台木とぴったり密着することができません。切って削ってを何度も繰り返すうちに次第に上手になりました。台木と穂木の接着面の密着具合、台木と穂木の形成層を合わせるところ、きつく接ぎ木テープで結ぶところがなかなか難しそうでしたが・・・・・。最後に穂木の切り口に癒合剤を塗布したら終了です。


実習を開始して3時間ほどで流血もなく無事に終わりました! 新学期の4月までには接ぎ木の結果は分かります。せめて、プロ野球の首位打者の打率以上の活着率を目指したいという声も聞かれましたが・・・・・。私の予想では、5割以上は着くのではないかと思っています。期待していま~す。

 

未知なる知識や技術を学び、それを自分のものにできる学びの最後の場所が大学ではないかと思っています。そのような要望に応えられる場であり続けられたらと思っています。「特技は接ぎ木です!」

 

(渡辺 均)

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
花卉・苗生産ブログを応援してくださる方は、
こちらを1日1回クリックしていただけると、、、

人気ブログランキングへ

ブログランキングがあがります。
これからも応援よろしくおねがいします!

トレイ販売を始めました。
詳しくはホームページへ!
花卉・苗生産部トレイ販売ページ

花卉・苗生産ブログに関するお問い合せは、
こちらからどうぞ→fc-naeseisan@office.chiba-u.jp
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

0 件のコメント:

コメントを投稿