2019年9月30日月曜日

社会参加で健康長寿

今日の話題は植物や園芸に関係なさそうなタイトルですが・・・。

928日(土)に柏の葉キャンパスで今年度第2回の柏の葉・東洋医学健康セミナーが開催されました。今回のテーマは「未病」でした。

当センター内にある柏の葉診療所の所長である勝野達郎先生と千葉大学予防医学センターの近藤克則先生が講演をされました。その内容は、以下のとおりです。

導入講演 「『未病を治す』~古典に隠された意味~」
 勝野達郎(千葉大学柏の葉診療所所長・千葉大学病院准教授・医師)

特別講演 「『未病を治す』~社会参加で健康長寿~」
近藤克則(千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門教授、千葉大学大学院医学研究院公衆衛生学教授・医師)

勝野先生は、未病の定義について古典の解釈をわかりやすく解説されました。近藤先生からは、全国の数十万人の高齢者から集められたデータをもとに健康な高齢者ほど社会活動に積極的に参加している傾向があることをお話されました。また、地域社会でそのような活動ができる社会インフラ(公園、図書館など)があるほど、住民の健康寿命の延伸につながる傾向があるようです。また、様々な社会活動に参加されている高齢者ほど認知症にかかるリスクが低い傾向にあることをデータを元にお話しされました。


勝野先生の御講演「『未病を治す』~古典に隠された意味~」


「『未病を治す』~社会参加で健康長寿~」

もうお分かりかと思いますが、当研究室で長年行なってきました地域の園芸活動に対するご支援もまさしく地域住民への社会参加のメニューのひとつであるということです。
これまで、どちらかと言えば園芸は個人が楽しむもの(内向きの園芸)でしたが、植物を用いた環境整備(花壇づくり)や地域づくり(ボランティア活動など)の「外向きの園芸」が地域の健康づくりに大きく貢献することが考えられます。
みんなで体を動かし、お話をして、よく笑うことは、他の社会活動や健康づくりの活動でも可能ですが、園芸活動はさらに草木の成長や収穫の喜び、緑花、季節感の共有など、みんなで目標を立てて目に見える達成感を時間をかけて得ることができる活動でもあります。

今回の講演を拝聴し、当研究室のテーマでもある「植物と人のかかわり」を考えたとき、園芸の役割として、これまでの業界の生産流通を中心とした考え方や個人的な趣味としての捉え方の外に、まだまだ園芸の可能性が残されていることを再認識しました。



(渡辺 均)
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2019年9月27日金曜日

フラワートライアルジャパン

 学部4年の五月女です。
 9月も残りわずかとなり、ゼミや戸定祭、センター祭が近づいてまいりました。



今週は、一昨日のブログでも記事を取り上げていましたが、フラワートライアルジャパンという、八ヶ岳で行われる植物の展示会へ見学についてお話しします。

こちらの展示会には去年も参加したのですが、今年は去年とは異なる茅野市民会館会場とM&B Flora会場の2つを見学させていただきました。



前者の会場は、多くの企業がブースごとに展示をしており、植物の展示だけではなく、加工品や肥料、鉢などの展示もありました。







その中でも、私は特にペットボトルをリサイクルして作った鉢が気になりました。

こちらは通気性に優れているとのことだったのですが、特に興味を持ったところは、デザイン性と収納性です。

折り畳める性質があるため、このように収納可能で、鉢の置場所に困るといった心配がありません!







後者のM&B Flora会場では、植物の展示が多く、今年発売された品種や来年発売の品種の展示がされていました。

植物ごとに展示の方式が異なっており、企業や担当者の方の拘りが見れたようで面白かったです。








(学部4年:五月女)

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2019年9月26日木曜日

冬を彩る

ここ数日は適度な湿度と温度で過ごしやすい日が続いており作業が捗りますね。

さて苗生産 秋の恒例パンジーのポット上げを行いました。

育苗ハウスには大量の3号ポットが積み上げっています。

そのポットに苗抜き機で抜いた苗をどんどんと並べていきます。
並べていく際に写真のように向きを揃え、セル苗の底をポットの中心部に合わせると一定のリズムのまま作業を行えるので効率的に行えます。

ポットの中心に指で穴を開けてー


セル苗を挿します。

ポット上げが終わったトレーを運搬車に100枚乗っけたら
露地圃場に落とさないようにゆっくりと移動します。


全て並べきったら灌水、チェックをして終了です。

朝には3列だったポット苗たちが夕方には5列になりました。

無事生育してほしいですね。

                                  [新澤]


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2019年9月25日水曜日

フラワートライアルジャパン2019秋

 昨日から明日までにかけて、山梨県と長野県でフラワートライアルジャパンが開催されています
 私たちも昨日、学生とともに展示会場を見学してきました。

 茅野市民会場内では、多くの出展社のイチオシ品種が並べられ、専門員による審査と、来場者からの人気投票が行われていました。




 こちらは八重のリンドウ。
 八重であり花粉をつけないため、花の傷みが少なく花持ちもかなり長いのが特徴です。
 鉢花品種として紹介されていましたが、花茎を伸ばせば切花としても使えそうですね。
 会場でも目立つ場所に複数展示があったため、かなりイチオシのようです。




 また、和と洋を融合したバラの盆栽仕立てという、一風変わった展示も。




 さらにクリスマスシーズンの商材であるポインセチアの濃黄色品種など、これまであまり見ることのなかった色や形の新品種が多く、様々な需要に対して、あるいは新たな需要を作り出すために各社がトライしている様子が伺えました。


 会場を移してMB Flora会場では、研究室のOBである小林さんに、自社品種の紹介をして頂きました。




 同株内で気温等によって色の変化が生じるマリーゴールド。
 季節の移り変わりに様々な表情を見せてくれます。


 また、新品種をポスター展示と販売形式のポット苗を置くだけでなく、他植物との寄せ植えコンテナや、玄関先で水管理の手間を少なくするための吸水ひも付きの大鉢などを隣に展示することで、植物を購入されるお客様が作りたい理想像を実際に用意することで、ポット苗の購入時にイメージしやすくさせているなど、展示方法にもこだわりがみられました。




 学生も新品種の特徴と他品種との違い、またそれらをどう来場者に説明し理解してもらうか、という点を学び取るため、OBに熱い視線(?)を送っていました。


(安藤匡哉)

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2019年9月24日火曜日

トルコギキョウのチップバーンの前と後

 先週の予告通り、今回はトルコギキョウの最新の研究成果について、ご紹介します!今回ご紹介する内容は、先日開催された園芸学会で発表済みです{園芸学研究第18巻(2), P167}。
 当研究室では、閉鎖型の苗生産システムを用いて、環境を一定にし、トルコギキョウのチップバーン発生(葉先のCa欠乏)について、研究を進めています。
 同じ環境で実験を繰り返すと、実験の開始から、4~5週目で、チップバーンが発生することが確認できました。では、なぜこのタイミングでチップバーンが出るのでしょうか?仮説としては、以下のことが考えられます。
①チップバーンの発生前後で、体の成長に対し、Caの吸収量が足りないという現象が発生する。
②チップバーンの発生前後で、植物体内のCa分配に大きな変化が生じる。
③チップバーンの発生前後で、①と②が同時に発生する。

 この謎を解明するため、当研究室の木下さん(現 長野県職員)とともに、実験を行ってきました。3品種を毎週サンプリングし、茎や根だけでなく、主茎の葉は、節位毎に分けて分析するなど、木下さんには大変な苦労をかけました...
m(_ _)m
 その結果、②が主な原因であることが判明しました。簡単に申し上げますと、トルコギキョウはチップバーンの発生する品種もしない品種も、実験開始後4~5週目で根へのCa分配が増加し、葉へのCa分配が減少することが明らかになりました。そのCa分配の変化に伴い、新葉の葉先のCa濃度が閾値を下回る品種は、チップバーンを発生してしまう、ということです。
 この知見は、「どうして生育初期はチップバーンは発生しないのに、生育中後期でチップバーンが発生するのか?」に対しての答えを提示したと同時に、より有効な施肥計画の立案に貢献するものと考えています。
 しかし、「どうして根にCaが蓄積し、新葉の葉先にCaが移動しないのか?」「CaやB、Mg、Kなどの培養液の元素組成とチップバーンの発生の関係は?」、「何故4~5週目なのか?」などなど、まだまだ分からないことだらけです!
 今後は、様々な元素を考慮した培養液組成とチップバーン発生の関係を栽培試験で調査していくとともに、CAXをはじめとした遺伝子発現とCa局在性に関する研究も進めていく予定です。また、本成果は、論文にし投稿中ですので、掲載された場合は再度アナウンスさせて頂きます。乞うご期待!

学会発表ポスター


 最後になりましたが、昨日のプログ記事にもありましたように、この度、研究奨励賞を受賞することが出来ました。これもひとえに、学生の時からご指導頂いております渡辺均教授をはじめとした教職員の皆様、共同研究先であります共同カイテック株式会社の皆様、農研機構 東北農業研究センターの皆様、実験に協力頂いた先輩・同輩・後輩の皆さんなどなど、様々な方々のご支援によって、得られたものです。
 略儀では御座いますが、この場を借りて、心より御礼申し上げます。
 ご支援とご協力を有難う御座いました。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。


(黒沼)

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2019年9月23日月曜日

黒沼尊紀助教が日本緑化工学会賞研究奨励賞を受賞!

 9月は秋の学会シーズンでもあります。花卉・苗生産部の教職員も全国各地で開催される学会に参加し、発表も行なっています。学会への参加は、いろいろな考え方や取り組みなどに関して刺激を受ける貴重な場でもあります。

 そんな中、大変喜ばしいことがありました。2019913日(金)~15日(日)に福岡市で日本緑化工学会が開催され、黒沼尊紀助教が研究奨励賞を受賞されました。


その業績は、「屋上緑化における環境改善能の定量化と環境影響評価」です。長年、「屋上緑化は環境に良い。環境改善する効果がある!」とは言われていましたが、実際に何がどれだけ良いのか、詳しく調べられてはいませんでした。


黒沼助教は、屋上緑化に使用される植物の光合成能力を計測したり、施工経過年数の異なる屋上緑化の土壌を分析し、炭素や水の保持能力や微生物活性を調べたり・・・。屋上緑化の様々な効果を初めて定量化したことが評価されました。


日本緑化工学会賞 受賞者



 授賞式の前に今回もポスター発表を行ないました。農水省の研究機関との共同で行った研究を発表されました。タイトルは、「屋上緑化芝地における大気汚染に関わる元素量の経年変化」。屋上緑化の芝地には、大気汚染物質が経年的に増加する特定の元素があることを突き止め、屋上緑化の芝地には大気浄化能があることを初めて数値化しました。



 大学3年生で花卉園芸学研究室に分属され、卒論として屋上緑化の研究を希望して学部、修士課程、博士課程、助教と研究を進めておよそ10年、日々の積み重ねが認められた瞬間でもありました。 おめでとうございます!

(渡辺 均)



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2019年9月20日金曜日

花の香りに酔い痴れて 第20回 ジャスミン

 こんにちは。学部4年の下重です。


 前回の「花の香りに酔い痴れて」シリーズの更新の際に、私が紹介した「重陽(ちょうよう)の節句」は99()でしたが、実はこの日、非常に悲しいことに、台風15号が千葉県を直撃しました。
 千葉県北西部にある千葉大学環境健康フィールド科学センターでも、薬草園の樹木の枝が折れたり、温室の屋根の留め具が外れたりする被害が出ましたが、北西部以外の地域では、倒木などによる長期停電がいまだに続いているとのニュースを耳にしました。
 被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。


 さて皆様、お気づきでしょうか?
 花卉・苗生産ブログの「花の香りに酔い痴れて」シリーズも、ついに20回目の更新です。
 身近な植物では「ラベンダー」や「ローズマリー」、少し変わったものでは「ニオイバンマツリ」や「カワミドリ」など、芳香性を持つ植物を沢山ご紹介してきました。
 記念すべき第20回の今回は、ジャスミンをご紹介いたします。

 千葉大学環境健康フィールド科学センターのハウス内に、ジャスミンがあります。


 ジャスミンJasminumは、モクセイ科ソケイ属の植物の総称です。
 ソケイ属は約200種の植物から成り、熱帯地域から温帯地域まで幅広く分布しています。

 ジャスミンの中には、キソケイJasminum humile var. revolutumやオウバイJasminum nudiflorumなどといった、黄色の花を咲かせる種も存在しますが、今回観察を行ったジャスミンは、白色の花が咲くマツリカJasminum sambacでした。

 マツリカは、半つる性の常緑性低木に分類される植物で、一重の花を咲かせるものと八重の花を咲かせるものが存在しています。
 マツリカの葉を観察してみると、対生(1対の葉が向かい合って1つの節につくこと)であることが分かります。


 また、皆様ご存知の通り、ジャスミンには芳香性があります。
 しかし、ジャスミンの仲間でも、種が異なると香りも異なるため、ジャスミンティーの香りづけには、マツリカの花を使用し、精油(エッセンシャルオイル、植物の芳香物質を抽出したもの)には、ソケイJasminum grandiflorumの花を使用します。
 実際にマツリカの香りを嗅いでみると、ジャスミンティーを思い出させる、濃厚で甘い香りがしました(私個人の感想です)


 このジャスミンの香りには、「ストレス解消効果」や「リラックス効果」があるとされています(個人差があります)
 ゆっくりと温かいジャスミンティーを飲むことで、たまった疲れを癒してみるのはいかがでしょうか。


(学部4年:下重)

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2019年9月19日木曜日

カガミよカガミ


<シクラメン>   鏡よ鏡、世界で一番美しいシクラメンはだーれ?



<ミラーシート> ハイ、それはあなたです!




<シクラメンA>  オーホッホッホ !  
    <シクラメンB>  オーホッホッホ!
              <シクラメンC>  オーホッホッホ!
                               <シクラメンD>  オーホッホッホ!
                                               <シクラメンE>   オーホッホッホ!


と、いうわけでミラーシートを設置したのではありません。



通常、シクラメンの葉は上を向いて、太陽の光を浴びようとします。






しかしこの時期、葉組み作業を繰り返すことで、
外側の葉は混み合い、上になった葉の陰に隠れてしまいます。








ミラーシートを設置することにより、下からも光が反射して、
次第に外側の葉は下を向いていきます。





白いプラスチック鉢は下着と同じだ!
と言っていた元教授もいらっしゃいましたが、

贈答用シクラメンの目指すところは、
白い鉢を覆い隠すほどの葉数と形のバランスの良さです。

これを実現させるためには、
ミラーシートの使用と、
手間のかかる葉組み作業の繰り返しが不可欠なのです・・・わよ。オーホッホ。




さて、今年はどれくらい実現できるでしょうか?
鏡に聞いてみることにします。

(長嶋)

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2019年9月18日水曜日

びびっと目をひく

 まだまだ暑い…と思いきや、急に涼しい日が挟まったりと、季節の移りを感じます。
 気温に合わせて服装を選びたいところですが、作業しているとまだまだ暑さを感じるので、しばらくは半袖が手放せなさそうです。


 薬用植物園では、秋の花も咲き始めています。


 強い紫紅色が目を引くオオバナオケラAtractylodes macrocephala KoidzumiA. ovate DeCandolle)は、和名からも分かるように、オケラA. japonica Koidzumi ex Kitamuraと同属の多年生草本です。

 オケラは以前にも記事として挙げられていますが、白い筒状花のみの花冠と、それを取り巻く羽状の刺々しい包葉が特徴的な花でしたが、オオバナオケラの花冠は紫紅色が目立ち、やや細長い形状をしています(まだ中央は白く未開花の状態です)。




 オオバナオケラは、オケラと同様に根茎を生薬の白朮(ビャクジュツ)として用います。
 しかし、より細かく分ける場合、名称としてオケラを基原とした白朮を和白朮というのに対し、オオバナオケラを基原とした白朮を唐白朮と呼びます。
 これは、オケラの原産地が日本、オオバナオケラの原産地の違いに由来するとされています。

 根の形も花と同様にオオバナオケラの方がやや大きめでゴツゴツとこぶ状の突起が目立ちますが、重さあたりの精油成分量が少ないことが報告されています。
 また、主な成分としてアトラクチロンを含み、水分代謝異常や消化器系機能障害に用いられる処方に多く配剤されているようです。


 夏も過ぎ、やや大人しめの花色が多いなか、緑の中にビビットカラーな紅色のワンポイントを楽しめそうです。

(安藤匡哉)


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2019年9月17日火曜日

わたしたちの未踏の地

 わたしたちは、まだ誰も知らない未踏の地を目指して、日々研究を進めています。そして今回も、わたしたちは、未踏の地(まだ登ったことの無い温室の屋根)へと足を踏み入れました。
(大それた導入で、期待した方、申し訳御座いません。笑)


 先日の関東直撃の台風、千葉南部では長期間に及ぶ停電など甚大な被害をもたらしました。被害にあわれた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。


 幸いなことに、柏市では被害が小さく、温室の屋根の留め具が外れた程度でした。そこで、安藤先生と黒沼という、温室のぼりペア(ペア結成9年目)で、修繕を行いました。


 熟練ペアですので、私がのんきに遠くから写真を撮っていても、安藤先生は動じることなく、黙々と作業を行います。


 今度は近場からパシャリ!簡単に登っているようにみえますが、足場となる梁は、これまで登ったどの温室よりも少なく、危険な作業です。もちろん、私も写真を撮り終えたら、すぐに作業に取り掛かりました。
 
 「未踏の地へと足を踏み入れる」ではありませんが、「今まで出来なかったことが出来るようになる」という経験の重要性や達成感は、研究でも、温室の修繕でも、そう変わりません。
 安全性の観点から、学生さんが温室に登って修繕を行う機会は無くなりつつありますが、それ以外のところでは、決して楽な方へと流れず、様々な「出来ない」を「出来る」にして、卒業してもらいたいものです。


(来週こそは、新しい研究成果の話題をお送りします。笑)


黒沼


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2019年9月16日月曜日

花はたくさん咲いているのに・・・

先日、出かけた先で下の画像のような花壇作業の現場を目にしました。トレニアの3色ミックスが満開に咲いている花壇でしたが・・・。

それにも関わらず、数分のうちに次々と引き抜かれていきます。



どうして咲いているのに引き抜いてしまうのかを尋ねてみると。9月に植え替えることが決まっているからということでした。そういう契約なのでしょう。引き抜かれて瞬く間に生気をなくすトレニアを見ながら、人の都合だけではなく、植物の都合も考えても良いのではと思いながらその場を離れました。

公共緑地は、契約によって植え替え回数が決まっていたり、予算消化を前提とした必要以上の植え替えが行われていたりということが良くあります。また、市民活動の中の花壇づくりでも、コンテスト向けや自治体からの苗配布などから植え替えを余儀なくされる場合も見受けられます。予算が限られる中で、持続可能な花壇づくりを行なうために、本来の花壇の目的をもう一度考えなければなりませんね。



(渡辺 均)

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2019年9月13日金曜日

今週の実習 ~シクラメンの葉組み~


学部4年の五月女です。
今週は台風やゲリラ豪雨など悪天候により、停電や交通機関の乱れ等があり、とても大変な一週間となりました。
また、日が落ちるのも早く、研究室を出るころには、すっかり周りが暗くなってきて、季節の変わり目を感じる日々です。



さて、今週の実習では、シクラメンの葉組みを行いました。

「葉組み」とは、葉枚数が増えて込み合ってきたシクラメンに対し、葉の向きを揃えて、鉢の縁に集める作業のことを指す言葉です。

 丁寧に葉組みを行うことで、シクラメンの塊茎に光が届くようになり、葉数が増えると共に、花数を増やすことができます。



今回は、主に葉分け(1回目の葉組み)2回目の葉組みを行いました。

シクラメンの葉柄を本来あるべき場所に放射状に分けていきます。




(葉組み前のシクラメン)




(葉組み後のシクラメン)



葉組みを行わないと、葉柄が互いに交差し、花茎が葉柄に絡まってしまい、上手く花が咲きません。

この作業を行うことにより、皆さんがよく目にする、ドーム状の葉の中心から花茎が立っている、綺麗なシクラメンが出来上がります。



このシクラメンは、12月の第1土曜日に、千葉大学環境健康フィールド科学センターのシーズホールにて開催される、「シクラメン祭」にて販売されます。

私自身は2回目の参加となるのですが、昨年は大変多くのお客様に朝から並んでいただき大盛況だったため、今年もとても楽しみです。



(学部4年:五月女)

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