明日から6月になりますね。
暑い日が続いていますので、熱中症にはお気を付け下さい。
さて、第12回は、シャクヤクをご紹介いたします。
千葉大学環境健康フィールド科学センターの薬草園内で、シャクヤクを見ることができます。
シャクヤク (Paeonia
lactiflora Pall.) は、ボタン科ボタン属の多年生草本植物です。
東シベリア、中国、朝鮮等で生産されていますが、古来より日本でも栽培が行われています。
同じボタン科ボタン属のボタン (Paeonia suffruticosa Andr.) は、シャクヤクによく似た花を咲かせますが、落葉性の木本植物であるという決定的な違いがあります。
シャクヤクには多くの品種が存在しており、今の時期は、花屋でもその姿を目にすることができます。
しかし、花屋では硬い蕾の状態で販売していることが多く、花を咲かせるのが難しいです。
切花のシャクヤクの蕾を綺麗に咲かせるコツは、「余分な下葉を取ること」、「茎を斜めに切り吸水面積を広くすること(水は多めにすること)」、「濡れたタオルで蕾の蜜をふき取ること」、そして「蕾を揉み解すこと」です。
特に、「濡れたタオルで蕾の蜜をふき取る」、「蕾を揉み解すこと」という手順は、「がく」が蜜で固まってしまうのを防ぐために非常に重要です。
(アリが蜜に集まってきています)
シャクヤクの品種の中でも、白色の花をつける品種の一部が、薬用として用いられています。
薬用として用いられる部位は「根」であり、生薬としてシャクヤクを使用する際は「芍薬(Paeoniae
Radix)」と表記されます。
一般用漢方製剤として処方されている294処方のうち、102処方に配合されている代表的な生薬で、代表的な例として「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」等が挙げられます。実際に、薬草園のシャクヤクの香りを嗅いでみると、爽やかなバラに似た甘い香りが感じられます(私個人の感想です)。
シャクヤクの香りは、様々な芳香性成分が混ざり合って出来ており、品種によっても香りに差があります。
例えば、バラに近い香り(ゲラニオールやフェニルエチルアルコールを含む)、キクに近い香り(1,8-シネオールを含む)等が挙げられます。
今年の初夏を、爽やかな香りを持つシャクヤクと共に過ごしてみてはいかがでしょうか。
(学部4年:下重)
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