寒々しい季節に移り変わってもなお、台風の動向が気になる日が続きますね。
横殴りの雨に濡れて、風邪をひかないようにお気を付けください。
さて前回、初日の夜にて終わりを迎えていましたが、次の日の朝から続きを。
農業アカデミーでのスライド発表ということで緊張気味の朝を迎えたのですが、朝食にてご一緒したアカデミーの講師さんから衝撃のひとこと。
『今日は山奥の農家さんを訪ねるから暖かくしてきてね!』
…おや?アカデミーへの訪問では?
と、通訳の野口さんも、はてな顔で事情を聞いてみると、2日目と3日目の予定が入れ替わっているとのこと。
うーん、わりとフレキシブルに予定が変動するのでしょうか、あちらも初めてのことで色々と情報が錯綜しているのかもしれません。
疑問を抱きつつも、2日目は朝から車で山奥へ出発です。
山奥とはいっても木が生い茂る山奥ではなく、低木がところどころに生えているような高地です。
お邪魔したのはセルゲイツさんファミリーと多くの従業員で営む果樹の苗木生産農家さん。
広大な敷地にリンゴやブドウのほか、モモやアプリコットなど多品目にわたる苗木を作り、国内のホームセンターや中国へ輸出を行っているとのことでした。
ロシアでも有数の苗木屋として有名で、国内各地でこちらのマークが目印となった商品がみられ、国内における取材のほか、海外から数多くの団体が訪問するということでした。
特に、中国から新品種の導入や試験栽培などが増加しており、最近の中国におけるワイン需要の高まりから、ブドウの注文や試験の依頼が多くなっているようです。
苗木は挿し芽のほか接ぎ木による株もあり、1~1.5 mの程度にまで生育後、今の時期に掘り上げて収集し、トラックに積んだおが屑に入れて倉庫へと移動させます。
掘り起こすための機械は、どこかで見たことのあるような日本メーカー産を使用。
そして-2℃で保管し、春にホームセンターなどへ卸しに行きます。
倉庫で-2℃保管というと非常に寒いように思えますが、倉庫の外は-2℃をはるかに下回る気温になるため、外気温よりは暖かな場所ということに。
ロシアでは1本の果樹の栽培可能年数が厳しい環境からか他国より短く、中国で10~20年、日本で上手く作れば40年はもつような果樹でも7~8年が限界らしく、果樹の更新が必要となるサイクルが早いため、大量の苗木が必要となるそうです。
こちらの農場では小冊子に近い厚みのパンフレットを配布しており、農場で取り扱う品目・品種の紹介のほか、果樹栽培のテクニック(剪定・接ぎ木・病害虫対策等)が記載されており、教科書としてほぼ全ての知識が詰まっているといっていいほどのレベルのものになっていました。
こうしたパンフレットを他の方々の協力はあれども、農家さん自身の手で作製している熱意に驚きです。
広い面積全てを見ることは出来ませんでしたが、ざっくりと案内していただいた後、ワインと軽食をご馳走になりました。
ラベルも貼られていましたが、店頭販売用ではなく、なんと来訪者へのみ出す自家製ワイン!
飲みやすい口当たりでしたが、アルコールが強めとのこと(新藤ソムリエ談)。
付け合わせは、タンのベーコンとチーズにパンという、ロシアではポピュラーという軽食というには贅沢な食事をいただきつつ、その場を後にしました。
その日の午後には、薬草の栽培を行っている方を訪問しましたが、それはまた次回にいたしましょう。
それでは、その3へ続きます。
安藤匡哉
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