2016年2月29日月曜日

新しい発芽台車の納品

先週の月曜日(222日)に発芽室内で使用している蛍光灯の発芽台車に代わって、LED灯の発芽台車2台が納品されました。



発芽室は種子を発芽させるためのものですので、本来の発芽を目的するのであれば補光はそれほど重要ではありません。しかし、花卉・苗生産部では発芽室内で培養苗の馴化や挿し芽を行なったり、発芽がなかなか揃わない野生に近い園芸植物、薬草や山菜などの育苗も行なっているため、発芽室内に補光ができる発芽台車が必要なのです。

新しい発芽台車は5段式で1段にセルトレイを6枚入れることができます。日長もコントロール可能です。これまでの発芽台車より収容力がアップし、台車の構造もこれまでのものに比べシンプルで、育苗に最低限必要な光量を計算して設計されています。より均一な条件での育苗ができるようになることでしょう。さっそく、新しい発芽台車を20℃と25℃に維持された発芽室内に入れ、育苗中の苗を積み替え稼働させました。




  (渡辺均)

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2016年2月26日金曜日

シバの定植

 芝は公園や運動場、競馬場、ゴルフ場などでよく目にする代表的な緑化植物ですね。近年は、都市部のヒートアイランド現象の緩和や景観の向上を目的とした建物内外での緑化にも芝が多く利用されています。芝は緑化植物として非常に普及していますが、管理をする上で最も労力を有するのは、芝刈りではないでしょうか。

今回定植を行った‘なるみどり’は、私たちの指導教官である渡辺均先生が育種・選抜した品種で、常緑性が高く、草丈も低いため芝刈りの必要がほとんどないところが特徴です。芝も品種によって特徴が異なることから、植栽する環境や目的に合わせた選抜が必要であると感じました。

さて、実習の内容ですが、セル苗をポットへ定植していきます。



定植作業といえば、土づくりと土詰めから始まりますが、花卉・生産部には、播種・育苗・移植の自動化・効率化を図る設備である『高度化セル成型苗生産利用システム』があります。その中の一つ、「自動化移植ライン」によって、ポットへ土詰めは機械が行ってくれます。非常に便利ですね。


次々と土詰めされたポットが届く中、スピードと正確性に気を使いながら植えていくので中々根気のいる作業でした。来週も自動化移植ラインに負けないスピードで頑張ります!


学生:井上

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2016年2月23日火曜日

卒業論文発表会

修士論文発表会、園芸別科修了論文発表会のご紹介をしてきましたが、
先週はもう一つ、園芸学部「卒業論文発表会」(2月17日)が開催されました。

柏の葉の花卉研メンバーでは、渡辺史さんが、
「草本性Calibrachoaにおける新品種作出の可能性」
をタイトルに、発表しました。



よく似た品種が増えてきているCalibrachoaですが、新たな形質を持ったCalibrachoa
作出できないか、交配を行って、後代を獲得し、花色や香り、形態などの評価を行いました。


渡辺さんは千葉大学の「理数大好き学生応援プロジェクト」の学生として、
2年生の頃から3年間、Calibrachoaに関する研究を続けてきました。
今回はその集大成。

3年間、たくさんの授業を受けながら研究を進めるのは大変だったと思いますが、
とても丁寧で、明快!
皆さんにも理解して頂きやすい発表だったと思います。


(金谷)





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2016年2月22日月曜日

花組(園芸別科花卉専攻)修了論文発表会 ~赤花ケナフの鉢物化の検討~

先週は修士論文発表会、卒論発表会と園芸別科の修了論文発表会が続きました。夜遅くまでの要旨の訂正と発表練習の成果で無事(?)乗り切りました。
ちなみに、321日(月)に園芸学部(松戸市)で開催される市民向けの公開研究発表会で、当研究グループの渡辺さん(卒業論文:カリブラコアの新らたな性質を有する品種作出の可能性)と高橋さん(修士論文:灸利用に向けたヨモギの系統評価)が発表することになりました。

さて、園芸別科の発表会(園芸別科専攻特別研修報告)ですが、今年も蔬菜専攻、花卉専攻、造園専攻合同で行なわれました。果樹専攻は修了学生がおりませんでした。今年の花組は村上さん1名のみの発表でした。3つの専攻でも8名しか発表者がおりません。以前の別科と比べると寂しい限りですね。

村上さんの発表は、生育が旺盛で高性になるケナフを数種の植物成長調整剤(矮化剤)を使用して、その処理濃度を変えることでコンパクトな鉢花にならないか検討したものです。


以前のゆとり教育のカリキュラム時には、小学校等での環境教育の一環で紙すきなどに使用されるため栽培されていたケナフですが、最近はめっきり栽培されることが少なくなったようです。

実験区の中で、無処理区は4m近くにまで生長しましたが、矮化剤処理を行なうと草丈30㎝ほどまでコンパクトにまとまりました。対照区と処理区を並べて写真が撮れない植物はケナフが初めての経験でした。

画像の一番後ろが無処理区


コンパクト化に成功した赤花のケナフ


鉢花として流通させるには問題点はありますが、コンパクト化するために必要な植物生長調整剤の種類や濃度などが明らかになりました。

  (渡辺均)



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2016年2月19日金曜日

よい土の条件とは

今回の共同作業はシクラメンの土づくりでした。土づくりは栽培をする上で非常に重要な作業です。生産者さんによって用いる原料の配合が異なり、独自の用土にこだわりを持っている方が多くいらっしゃいます。

植物には、それぞれに生育に適した土の条件というものがあり、保水性、排水性、通気性などを考慮しながら配合し‘良い土’を作っていきます。それぞれの植物の特性や性質に適した土の条件が合わさって、植物は元気に生長し、より美しくたくさんの花を付けます。

シクラメンにも、生育と開花に適した土選びと土づくりのポイントがあります。基本的には、堆肥、腐葉土、ピートモス、赤玉土、バーミキュライトといった土を主原料に、根腐れを防ぐゼオライトやパーライトなどがバランス良く配合されています。こちらの原料や配合比が生産者によって異なり、理由を聞いてみるととても面白いです。

花卉・苗生産部では、播種・発芽してから3回の鉢上げを行いますが、今回行ったのは、1回目の鉢上げに使う用土の土づくりです。株が若い時期は根腐れを起こしやすいため排水性の高い土で栽培し、株が生育するとともに、徐々に保水性が高い土へと鉢上げのたびに変えていきます。

始めに、配合するすべての土を積み上げます。


積み上げた土に水をかけながら、スコップで土の位置を移し変える事で混和していきます。



このサイクルを3回以上繰り返し、均等に混ぜ合わせる事が出来ました。



最後に、土を袋に詰めて終了です。



土づくりのノウハウと重要性を再確認できた1日でした。


(学生:井上)

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2016年2月16日火曜日

修士論文発表会

昨日(2月15日)は園芸学研究科博士前期課程(修士課程)の論文発表会でした。

柏の花卉研メンバーも、5名が発表を行いました。

小林和平さん
「クリスマスローズ品種における葉の老化現象」


斎藤宏二郎さん
「ダンギク国内自生集団における耐塩性および耐乾燥性の地域間差」



高橋花奈さん
「灸利用へ向けたヨモギの系統評価」


土田耕一さん
「ジャノヒゲ属およびヤブラン属の国内自生種における形態と塩基配列の比較」


土屋慶輔さん
Calibrachoa の花冠色彩の多様化の要因」


発表練習を何度も何度も繰り返し、スライドも要旨も何度も何度も何度も直して、この日に至りました。

皆さん、2年間、いろいろな苦労をして取り組んできた自身の研究成果ををわかりやすく、丁寧に説明されていました。
聴いて下さった皆さんにも良く理解して頂けたと思います。

4月からは皆さん、新しい道に進んでいきます。
ここで経験したことを活かして、元気に頑張って欲しいな、と願ってます。


(金谷)


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2016年2月15日月曜日

幼形と成形

先週の週末に愛媛県西条市に行ってきました。そこで、現地の方のご案内で築480年といわれる大名屋敷を見学させていただきました。480年前ということは、室町時代後期(戦国時代)ということになりますね。
御屋敷の梁は太く、歴史を感じさせる建物でしたが、庭先に植えられている庭木の太さにも圧倒されました。モチノキやナギ、ツバキなど柏の葉キャンパス周辺では、これだけの古木を見ることはできません。

モチノキ

ナギ

ツバキ


その中で、表玄関の入り口脇にヒイラギの古木がありました。家の魔除けとして植えられたものなのでしょう。かなりの樹齢のものでした。



一見するとヒイラギか分かりません。なぜかというと、いつも私たちが見慣れている葉の形ではないからです。あの、節分に見られる柊鰯(ひいらぎいわし)のヒイラギの葉ではないからです。枝先の葉が下の画像のように全縁で葉にまったく棘がありません。これでは、ヒイラギの葉の棘で鬼の目を刺すことができませんね。


ところが、株元から伸長してきた若い枝先の葉は、棘があり見慣れた形のものでした。


この棘のある葉を幼形といい、未成熟な枝に着くのが特徴です。一方、棘の無い丸葉を成形といい、成熟した枝に着きます。その証拠に丸葉の枝先には、小さな果実が着いていました。この古木は雌株ですね。



キヅタなどでも幼形と成形の葉を見ることができますね。アイビーとして花店で売られているほとんどのヘデラは幼形ですね。なかなか目にすることができないヒイラギの成型の葉を観察することができました。


(渡辺 均)

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2016年2月12日金曜日

今日の1000属から ~置き土産~

今年は、本当に冬が来たのかな、と思ってしまうほど、例年より冷え込みが少ないような気がします。このまま春を迎えるのでしょうか。

現在、1000属ハウスでは、
暖冬のせいか、少々フライング気味に花をつけているものもちらほら見られます。
こちらはニオイバンマツリ
開花期は4月~7月と言われていますが、現在ハウスにある2株は、ともに花をつけています。咲き進むにつれて紫⇒白への花色の変化が特徴的な花です。

また、こちらは先日、本ブログで咲き始めたことが紹介されていたアザレア
満開といった感じで、とてもきれいです。


一方、ハウスの奥では、何やら不穏な空気が、、、
最近1000属ハウスで、問題になっているのがこちら
1000属ハウスとは、学生が植物の名前や維持管理法を学ぶための温室であり、生産用の温室とは異なります

なんだか葉が黒くなって汚れがついているように見えます。

これは、すす病です。
植物の葉や枝の表面にカビが生育し、黒いすすの様なもので覆われてしまいます。すすが付くことで見た目が悪くなるだけでなく、葉が覆われると、光合成や蒸散が阻害され、植物の生育も悪くなります。すす病は直接植物に寄生するのではなく、害虫(吸汁性害虫)の排泄物を栄養にして繁殖します。

すす病対策として効果のある薬剤は、少なく、原因である害虫の発生を抑えることで、すす病の対策とすることが多いとされています。
また、簡易的な対処として、葉についたすす病は、清潔な布などでふき取ってしまう方法があります。

先月まで、1000属ハウスでは、コナカイガラムシの発生がみられ、コナカイガラムシの排せつ物を栄養として、すす病が繁殖していました。しかし、コナカイガラムシの駆除を行ったため、現在ではコナカイガラムシの姿は見られません。

差し詰め、コナカイガラムシの置き土産、、、

というわけで、葉をちぎらないように11枚丁寧にふき取ってみました

軽くふき取っただけですがずいぶんきれいになりました。

すす病の再発がみられるようなら、駆除しきれていない害虫が居るということ、、、
害虫の発生が見られた場合、各害虫に対して適切な薬剤散布や処理を行う必要が出てきます。

今回は、再発しないことを祈って、ふき取って様子を見ておきましょう。



(修士1年:村岡)

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2016年2月8日月曜日

Vサイン?

2月に入り研究室の学生さんの卒論、修士論文の発表準備が忙しくなってきました。来週の発表会に向けて、ラストスパートですが、インフルエンザも流行っているので、体調管理にも十分に気を付けて欲しいものです。

例年のことなのですが、夏の夜に1000属ハウス内で栽培している姫月下美人(サボテン科・Epiphyllum pumilum Britt. et Rose)が開花しています。昨年も2ヶ月に渡って一日数輪ずつ開花しました。


そのうちの数個の果実が赤紫色に着色し、その果実を割って、果肉を取り除いて播いてみると・・・。


2週間ほどで多肉質な子葉が展開してきました。


さらにしばらくすると・・・。ピース?サインのように2枚の本葉が展開してきました。面白い形ですね。


さらにしばらくすると・・・。次も小さな本葉が2枚展開してきました。


その次の葉は、親株と同じような扁平な葉状の小さな茎が1枚伸長してきました。

卒業生は卒論、修士論文の発表会と取り纏めを乗り切れば、あとは姫月下美人の出芽のように、卒業というVサインが待っています。これが、学生生活の最後の追い込みですね。 


(渡辺 均)

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2016年2月5日金曜日

スイセン

こんにちは。
今回紹介する植物はスイセンです。
スイセン(学名:Narcissus)はヒガンバナ科で、多年草の球根植物です。原産地はイベリア半島を中心とした地中海沿岸地域で、12月から5月まで黄色やオレンジ、白の花を咲かせ、夏には休眠に入ります。
鱗茎から伸びた葉の間から花茎を長く出します。その花茎の先には苞葉がついていて、そこから直径310センチほどの花を横向きにつけます。 



花は、3枚の花弁、3枚の萼片からなり、中央にはオレンジ色のさかずき状の副花冠があります。 一つの花茎に一つの花を咲かせる種もありますが、こちらの種は一つの花茎に6つ程度の花を咲かせるという房咲きの特徴があります。

スイセンの花は咲き方として、シングル、セミダブル、ダブルなど多様な咲き方があるため、冬から春までの花壇、鉢植えや切り花などに広く使われています。


修士一年:任倩玉

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