園芸学部のガラス温室で栽培している
コーヒーノキ(アカネ科 Coffea arabica L.)に
たくさんの果実(チェリービーン)がつきました。
今回の実習はその果実を使って取り播きを行いました。
コーヒーノキは園芸店では観葉植物(特にミニ観葉)として
利用されています。
光沢のある濃緑色の葉が魅力ですね。
ちなみにこのコーヒーノキは、
私が小学生のときに1鉢450円で購入した2代目です。
松戸の温室内で実ったチェリービーン
果実をつけながらも枝先には白い花を咲かせます。
花には甘い香りがあります。
収穫された果実
やや扁平な果実の果肉は甘く、
果皮を剥くとその中に2粒のコーヒービーンズが入っています。
この種子を乾燥させて薄い皮を取り除いて焙煎すればコーヒー豆ですね。
発芽させるには、ざるなどを使って良く水洗いし、
種子の平坦な部分を下にして
湿らせたバーミキュライト(中粒)に播きます。
軽く指で用土の中に種子を押し込んでから1.5~2cmほど覆土をします。
灌水して20℃~25℃の温室内で管理します。
発芽までに1カ月ほどかかります。
植物によっては、
種子を収穫してすぐ播かないと発芽率が下がってしまったり、
まったく発芽しないものがあります。
特に果肉に覆われている木本植物の種子やブナ科の種子などでは、
取り播きをしないと発芽しないことが多いようです。
逆の言い方をすると、
発芽するまで種子を乾かさないことです。
取り播きした後、熱帯性の植物は比較的早く発芽してきますが、
温帯性の植物の場合は休眠してしまい、
その後の高温や低温を受けないと発芽しないものがあります。
皆さんも取り播きを試してみてはいかがですか?
いろいろな植物の発芽を観察するのは楽しいですよ。
(渡辺均)
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