今日は種子生産のための文献から。
ナスの種子を生産する場合、
通常は花が咲いてから55日以上たった果実から
種子を取り出して利用します。
でも、55日以上も果実を肥大させるためには、
植物体自体で結構なエネルギーを浪費するので、
種子を沢山採るために実を沢山つけさせると、
果実同士で競合してしまって、
最終的にできあがる種子の大きさが小さくなってしまいます。
良質な大きさで発芽率の良い種子を沢山採れる方法があれば、、、、
ということで、今日紹介する論文のPassamらは、
種子生産のための果実を収穫する最適なタイミングを見つける研究をしています。
よく植物の種子では、
完全に熟す前に収穫して『追熟』させて種子として利用することがあります。
植物の種類によっては追熟できるものとできないものがあります。
今回のナスの場合、
果実は非クリマクテリック型という特性をもっていて、
この特性をもつ果実は収穫後に熟すことができません。
ちなみに、、、
クリマクテリック型の果実では完熟する前に収穫しても
追熟するので、若い実で収穫してもおいしく食べれます。
バナナやアボカドやトマトなんかがそうです。
さて、、、本題にもどしますが、、、
ナスの果実は追熟できませんが、
その果実の中にある種子は追熟できるかどうか
試したことがなかったそうです。
そこで、このPassamらは
ナスの果実が熟す前の段階で収穫して、
��具体的には開花から25~65日後の様々な大きさの果実)
その果実を貯蔵して追熟させたものから、
種子を採集して、種子の大きさや発芽率を調べました。
結果としては、、、、
一番発芽率が良かったのは、、、
やはり、開花後55日目の果実から収穫した種子でした。
でも、、、おもしろいこともわかりました。
それは、、、
開花後25~35日目の果実から収穫した種子は発芽率0でしたが、
同じ果実を収穫したものを25℃で20日間貯蔵すると
そこから採れた種子の発芽率が44~100%にまで上昇しました。
つまり、、、
ナスでは非クリマクテリック型なので果実の追熟は起こりませんが、
果実の中に入っている種子は果実が未熟でも追熟するということです!!
非クリマクテリック型の植物でも、
種子の追熟ができる可能性がありそうですね。
今日の内容は、
下記の論文を参考にしました。
H.C. Passam et al. (2010)
Influence of harvest time and after-ripening on the seed quality of eggplant.
Sci. Hortic. 125; 518-520
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