10年ほど前からファインバブル発生装置を使用して、おもに園芸植物への効果を検証してきました。この水はファインバブル水、ナノバブル水、ナノ水とも言われていますが、非常に粒子の細かな(ナノ)気泡を発生させ、長時間にわたって水中にその泡が残ることで、植物に様々な効果があることが分かってきました。苗生産やポット苗、鉢花生産の現場で使用した際の効果の一部をご紹介します。
・ シクラメンの生育促進、開花促進
発生装置に酸素ボンベを接続し、ナノバブル酸素水を与えることで生育や開花が大
幅に促進されることがわかりました。また、発生装置に炭酸ガスボンベを接続してナノバ
ブル炭酸水をつくり、この水を夏季の高温期に葉面に散布することで、葉面の昇温防止
にとどまらず、葉面近くへの炭酸ガスの供給、炭酸ガスを混入させることでpHが下がる
ため病害の予防にもなりました。ちなみに、一日に3回灌水すると葉がシャキシャキのシ
クラメンが出来上がります(このような葉を初めて見ました)。
・ 栄養生長と生殖生長の同時進行
節間の伸長抑制と着花(果)数の増加見られます。当方ではナス科、ウリ科などでその
効果を確認しました。
・ 耐暑性・耐寒性の付与
花卉・苗生産部では毎年、サントリーフラワーズ㈱の‘セネッティ’(キク科ペリカリス属)
の鉢花を生産していますが、灌水をファインバブル水にすることで、夏季の株のロスが少
なくなり、11月からの出荷が確実に行なえるようになりました。
また、母の日向けのカーネーションの鉢花を無加温ハウス内で栽培しましたが、灌水を
ファインバブル水にすることで、無加温でも母の日向けに出荷できることを確認しました。
・ 種子の休眠打破、発芽促進
植物によって異なりますが、2日~10日ほどファインバブル水処理を行なうことで、種
子休眠が打破され、発芽の揃いが良くなりました。
灌水用10tタンクの導入とファインバブル発生装置が24時間稼働中
なぜ、そのような効果が得られるのか、植物の生理的な反応についての詳細は不明ですが、このような効果を確認したことから、7年前に思い切って灌水用に10tタンクを購入し、その中にファインバブル発生装置を入れ24時間稼働させています。
とは言っても、ただ発生装置を購入してファインバブル水を植物に与えれば、すべて上手くいくわけではなく、灌水頻度の変更、栽培用土の見直し、施肥体系の見直し、作型の変更(株の完成が早まるため)が必要になりますので、当然ですが事前の試作(試行錯誤)とノウハウの蓄積も必要です。それと、機種によっては、このような効果がないものもあるようです。
野菜の栽培試験中
当たり前のように使っているため、最近はファインバブル発生装置の有難みを忘れがちですが、今年もこれで暑い夏が乗り切れそうです。
(渡辺 均)
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