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先週の後半に青森県内でタンポポの栽培をお願いしている圃場を視察してきました。行き帰りの新幹線はほぼ満席の状態でした。日常が戻りつつあることも実感しました。
きちんと管理されたタンポポ畑
委託先では、2ヶ所の畑に各10aずつ栽培されていました。栽培されているのはセイヨウタンポポです。このセイヨウタンポポは、根を収穫して生薬原料(蒲公英・ほこうえい)として利用されたり、自然食品としてカフェインレスのタンポポコーヒーとして利用されます。
セイヨウタンポポは、全国どこにでも生える厄介者として知られていますが、まとまった量をきちんと管理して栽培すれば、品質の揃ったれっきとした農作物です。おまけに農薬の散布も化学肥料の施用も不要です。
試しに数本を掘って頂きました。途中で切れてしまいましたが、直根で太さも申し分ありません。
右端の小鎌と比較しても根の太さがわかります
今回の視察で、セイヨウタンポポの根が順調に肥大・生長していることが確認されました。今年は10a分を収穫して頂き、国産の生薬原料、自然食品として利用される予定です。また、生産者と一緒に本格的な栽培化に向けて検証を重ねていきます。
(渡辺 均)
こんにちは。学部4年の松田です。
梅雨に咲く花と言えば、皆さんは何を思い浮かべますか?
アジサイ、ハナショウブなどが挙げられますが、今回ご紹介するのは…
オトギリソウ科オトギリソウ属のキンシバイです!
梅雨時は寒色系の花が多いですが、その中で、この鮮やかな黄色が目を引きますよね。
思わず写真を撮ってしまいました。
ちなみに「オトギリソウ」は漢字で「弟切草」と書きます。
どんな意味なのだろうと調べてみたところ↓
春頼(はるより)という名の鷹匠が秘密にしていた薬草を弟が密かに洩らしてしまったことに激怒し、弟を切り捨ててしまったという伝説にその名は由来しているようです。
「公共社団法人 日本薬学会」より引用
え…こわい…笑
でもこれで記憶に定着しやすくなりました笑
実は、私、来週に花産業1000属検定を控えておりまして、その関係で、花卉の和名・学名を覚えなくてはなりません。
丸暗記よりも、こういった情報があった方が楽しいですし、覚えやすいので、一石二鳥ですよね。
検定合格に向けて頑張ります!
(学部4年:松田)
長年、温室内で管理していた観葉植物が巨大化し、ハウス内でかなりの面積を占めるようになってきました。尺鉢サイズまで大きくなり、ハウスの内張につかえそうになってきたプルメリア、アスプレニウム、モンステラ。一人で持つことができなくなったビカクシダやフィロデンドロン、ウチワサボテン・・・・・。どれも一点ものとして、それぞれ個性的なかたちになりました。花卉園芸必修1000属検定の実物出題用に置いてありましたが、ここまで大きくなってしまうと、実物として運ぶこともできません。どれも最初は、小鉢やミニ観葉サイズだったのですが。
そこで、花卉研OBで花市場のFAJ(フラワーオークションジャパン)の村上さんに相談して見て頂いたところ、「これなら市場で売れますよ。」というお話だったので、相対取引で出荷することになりました。近年の観葉植物ブームもあって、買い手もすぐ決まり、結構良いお値段で買い取って頂くことになりました。
調整と梱包の終わった観葉植物
(ビカクシダはどうやってもまとまりませんね~)
尺鉢サイズのモンステラ(葉もきれいに汚れを落として)
これらの大株から、あらかじめ挿し木で子株を増やしたり、アスプレニウムは胞子を採って播いたりしましたので、その品種や系統が絶えてしまうことはありません。小さな子供たちが、またハウス内で元気に育ちつつあります。
村上さんのお話によると、横浜のガーデンセンターが購入され、そこで販売されるようです。私たちのハウスから新しい方の手に渡り、元気にさらに大きく育ってくれたらと思っています。
(渡辺 均)
こんにちは、学部4年の三好です。
今回は、この間訪れた葛飾菖蒲まつりについて紹介したいと思います。
現在水元公園で行われている菖蒲まつりは3年ぶりの開催ということもあり、休日の公園は多くの人で賑わっていました。
ここの菖蒲は定期的に株分けを行っており、年が経つごとに花数や株の勢いは増し、3~4年ほどでピークを迎えるそうです。
田んぼごとに株分けが実施されているので、どの菖蒲が若いか否かは一目瞭然です。まだ鑑賞に適した状態ではない株分け1~2年目の菖蒲も、来年や再来年には悠々と咲き誇っていることを想像すると、成長が楽しみになりました。
菖蒲ひとつとっても色や花弁の形が少しずつ異なるので、丁寧にひとつずつ観察するにはかなりの時間を要しました。
遊歩道沿いには、菖蒲だけでなく紫陽花もたわわに咲き乱れ、いかにも6月らしい光景でした。スマホのカメラで撮影すると、花の絶妙な色味がうまく反映されていない気もするので、これらの花は生で観ることをオススメします。
私自身この菖蒲まつりの開催を心待ちにしていたので、じっくりと鑑賞することができて喜びもひとしおでした。
梅雨時期は天候に恵まれないため気持ちも沈みがちになりますが、この時期にしか見られない花は湿っぽい日々を彩ってくれるような気がします。菖蒲や紫陽花は自分で手軽に生育したり花瓶に入れて楽しむことはなかなか難しいですが、たまには遠出をして自分の目で直接確かめに行くのも良いものだと実感した一日でした。
褪せたむらさきの重なり 花菖蒲
(学部4年:三好)
6月に入り湿度の高い日が続いています。隣の市では、先日のゲリラ豪雨で雹が降りましたが、幸い柏の葉キャンパス周辺では被害はありませんでした。
さて、先週から花卉・苗生産部に全国各地で栽培・収穫されたヨモギの乾燥葉が届くようになりました。ヨモギは、北海道から鹿児島まで、全国各地で栽培をお願いしています。今回送られてきたのは、晴天が続く4月~5月に収穫された新芽の軟らかいヨモギです。
緑色も鮮やかな香りの強いヨモギ
春に収穫されたヨモギは、特に葉の緑色が鮮やかで、香りが強いのが特徴です。各地から送られてきたヨモギのダンボールの箱を開け、葉の香りを嗅ぐと生産地によってその香りが少しずつ違っています。これまでの研究で、同じヨモギでも自生地によって特性が違うことを明らかにしてきました。葉に含まれる鉄の保持量が10倍違っていたり・・・・・。
収穫して下さった方のことを思いながら、手に取って何箱も香りを確認していくと・・・・・、数箱目で鼻がムズムズしてきて、必ずくしゃみと鼻水が止まらなくなります。 ほどほどにですね~。
(渡辺 均)
学部4年の小坂井です。
先日、白山駅近くにある小石川植物園に行きました。
そこでかわいい植物に出会ったので紹介したいと思います。
この花、みなさんご存じでしょうか?
この花は「サクララン」という植物で、ガガイモ科サクララン属のつる性植物です。
サクラランという名前ですが、サクラでもランでもないというのは不思議な感じがします。
ところで、花をよく見てみると、中心部が飴細工のようにつやつやしているのが分かりますね。
花の形もすべてそろっていて、まるで角度まで測ったかのようです。
この「完璧」とも言えるような造形に植物の神秘性を感じ、思わず前のめりで写真を撮ってしまいました。
植物はそれぞれ色々な花や葉の形をしていますが、動けない植物なりの生存戦略なのでしょうか。
どんな意図をもってその形を選択したのか、植物たちがしゃべってくれるなら聞いてみたいものです。
(学部4年 小坂井)
平成15年に環境健康フィールド科学センターが発足してから整備が続けられてきた薬用植物園ですが、今年の4月で閉園となり、ついに更地になってしまいました。
教職員と学生さんの協力のもと、時間をかけて整備を続け、最近では570種ほどのコレクションがありました。樹木も生長し、薬用植物園としての雰囲気も出てきたところでしたが・・・・・。
左側の更地が薬用植物園、塀の右側が診療所
薬用植物園入り口付近
植物の生長には長い年月がかかりますが、悲しいことに樹木を切り倒し、株を引っこ抜くのは一瞬でした。
4月中旬から北門付近に新たな薬用植物園を整備していますが、樹木の移植時期として最も不適な時期でもあり、また移設業者の植物への配慮の無さ、愛情の欠如などもあり、移植してもすぐに枯れてしまったり、葉がぐったりして今にも枯れそうな樹木があったりと無残なものです。また、大きな木は移植することができず伐採されてしまいました。
先月でほぼ移設工事は終わりましたが、植物は仮植え、土地は砂利だらけ、カチカチで痩せていますので、土壌改良から始めなければなりません。
何で薬用植物園を移設しなければならないかって? ご関心のある方は、以下をご参照下さい。
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2022/0201/index.html
今年の秋には、我々教職員、学生も引っ越しです・・・・・。
(渡辺 均)
修士2年の舩木です。
先日、学部生の実習では毎年恒例ペチュニアの交配を行いました。
これだけの種類の中から、母親となる株を決め、そのまだ開花していない蕾の柱頭へ別個体(父親)の花粉をつけていきます。ピンセットでの細かい作業。集中力との勝負です。
ちなみに、去年私が交配したペチュニアはこんな感じになりました~!
小輪で星咲き☆ 花弁が肉厚で傷がつきにくそうな。
なかなか良い交配ができたのではないでしょうか。
肝心の親株がなんだったか、忘れてしまったのが残念です(^^;
同じく過去の交配では、花弁が裂けているものも。
裂けるペチュニア爆誕!
F1同士やその孫を掛け合わせているので、同じ組み合わせの親でも子の形質はバラバラになります。唯一無二のオリジナルペチュニアが生まれるのもまた面白いですね。
今受粉させると3~4週間後に種が取れるそう。
今回はどんな草姿、花色、輪形のペチュニアができるのか今から楽しみです。
(修士1年 舩木)