2024年10月25日金曜日

右巻き左巻き

みなさん、この植物の名前はご存じですか?

 このオレンジ色でラッパのような花の名前はマルバルコウ。アサガオと同じサツマイモ属の植物で、園芸種であるルコウソウの葉が細い糸状なのに対して丸い葉を持つことからこの名前が付きました。奇麗だったので思わず写真を撮ったのですが、なんとこの植物は熱帯アメリカ原産の帰化植物、大豆畑での蔓延が問題となっている雑草なのです。本来であれば駆除しなければならないわけですが、せっかくなので実験をしてみましょう。

御覧のとおりマルバルコウは木に対して反時計回りに巻き付いています。この巻き付く方向は植物ごとに決まっているのですが、これは植物ごとに、細胞の伸長方向を決める微小管が右か左に傾いて並んでいるためと言われています。つまり環境や状況に左右されないわけです。このことを確かめるためにマルバルコウを逆向きに巻きなおしてみました。




先ほどの通り微小管がすでに傾いて細胞が構成されていて、伸長方向が反時計回りになるよう決まっているのであれば、マルバルコウは再び反時計回りに巻き付き始めるはずです。もし微小管の影響などはなく、マルバルコウがただ真っすぐ伸長しているのであれば、そのまま時計回りに巻き付き続けるはずですが、果たして・・・



マルバルコウは反時計回りの道を歩み始めました。彼の進むべき方向はどうやら最初から決まっていたようです。つるが巻き付くというのは一見植物のダイナミックな行動に見えますが、実は芽生えのときから決まった方向に傾いて伸びているだけのようです。左右のどちらに伸びるかで、生存のしやすさが変わるような要因はなさそうです(太陽の向きが関係ないことは分かっています)。しかし、伸びる方向が異なる者同士で交配したら、その子どもは巻き付くのが難しくなってしまうでしょう。そのため、どちらか一方に伸びる方向は決まっていくと思われます。(単純に生理学・遺伝学的な要素で自然に決まるものなのかもしれません。)

 

あなたの身近なつる植物は右巻きですか?左巻きですか?

 

学部3年 小澤

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