2024年9月9日月曜日

生薬原料辛夷をつくるためのコブシ栽培

先週は愛媛県西条市に出かけておりました。そこで、コブシ(モクレン科 Magnolia kobus DC. var. kobus)の栽培を行なっております。コブシというと初春に野山で咲く白い花を思い浮かべる方が多いかと思います。もしくは庭や公園などに植えられている観賞樹のイメージでしょうか。

生薬原料としては、2月頃に開花前の膨らんだ蕾を収穫し、乾燥させたものを辛夷(シンイ)として利用されています。この中には、鎮静、鎮痛、抗炎症作用を有する成分が含んでおり、漢方処方に配合される原料として必要不可欠なものです。

 

これまでの辛夷の収穫は、山に入ってコブシの木に登り、もしくは枝を払って集められていました。考えただけでもとても大変な作業だと想像がつきますね。最近は、山に入いり、きつい作業をする人が減ってしまったため、国産の辛夷が足りないそうです。

 

そこで、8年前に果実を収穫してタネを播き、6年前に愛媛県西条市内の圃場に苗を定植しました。植栽方法は密植した生垣風に仕立て、木に登らなくても、もしくはキャタピラー式の高所作業車に乗って、できるだけ早期に収穫できるような樹形を考案しました。

 


コブシの密植栽培の様子

 現地で確認したところ、来年の春に開花する蕾が枝先に多数着いていることがわかりました。来春はいよいよ収穫を行なう予定です。品質や収量はもちろんですが、収穫を行なう際の作業性なども調査したいと考えております。

 

(渡辺 均)

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