今日は、園芸関係の文献を紹介!
タイトルは、、、、
『適切な光条件下において、ポインセチア(Euphorbia pulcherrima)の挿し木からの発根は、穂木の炭水化物含量に関係なく窒素含量が影響する』
この文献は、挿し木の発根に関する研究が紹介されています。
挿し穂からの発根は、親株の窒素含量に影響することが知られています。
ペラルゴニウム属の挿し木では、窒素分の栄養をたくさん吸収させることによって、
穂の炭水化物含量を減少させます。その後、低照度条件下で挿し穂を貯蔵する事で
発根しやすい状態になります。
でも、キクではこれとは対照的に炭水化物含量を減少させると挿し穂からの発根が
悪くなってしまいます。
つまり、植物によって挿し穂の発根の能力に必要な最適な栄養状態が違うってことですね。
で、、、、
この研究では、ポインセチアの挿し木に窒素が必要なのか、それとも炭水化物の方が必要なのか
を調べたという訳です。
ポインセチアなんてメジャーな植物なのにまだまだ調べられていない事がたくさんあるんですね!
どんな実験をしたかというと、、、
まず、ポインセチアの親株にいろいろな量の窒素肥料を与えます。
そして、穂を採取して低温(10℃)や暗黒条件下で貯蔵したときの
窒素量、炭水化物量、発根能力を調査しています。
その結果、、、
高濃度の窒素を吸収させると穂の炭水化物含量は減少していき、
その後、貯蔵をする事でさらに炭水化物含量が減少していきます。
この現象はとくに茎の部分で顕著だったようです。
また、葉の炭水化物含量(特にショ糖)が少ないと
穂からの発根は減少します。
でも、、、
窒素含量が多くなると、炭水化物含量が少なくなるのに、
挿し穂の発根が良好になるという結果が出ています。
つまり、ポインセチアの挿し木の発根能力は、
穂の炭水化物含量に関係なく、窒素含量が重要だ!ということですね。
窒素含量が多ければ、穂の貯蔵をしても、しなくてもどちらも
同じ発根能力になります。
ちなみに、ポインセチアの場合、
挿し穂の乾物重量1gあたり40mg以上の窒素含量で、
発根能力が最大となります。
植物ごとに、挿し穂の栄養状態によって
発根しやすかったり、発根が悪くなったりするようですね。
今日、紹介した文献はこちらです。
Nitrogen content determines adventitious rooting in Euphorbia pulcherrima under adequate light independently of pre-rooting carbohydrate depletion of cuttings.
Siegfried Zerche and Uwe Druege.
Scientia Horticulturae 121 (2009) 340-347
0 件のコメント:
コメントを投稿